2009年12月30日水曜日

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band [2009 Stereo Remaster] ビートルズ リマスター試聴

1967年に発売されたビートルズ8枚目のアルバム「サージェント・ペパーズ〜」を試聴した。旧CDと同じステレオミックス音源が元になっている。全体的に音圧が上がっており、冒頭のオーケストラ・リハーサルと観衆の音からしてすぐにそれは感じられる。

2曲目の"With A Little Help From My Friends"のイントロ部分に入る歓声やティンパニの音も明瞭で、音が広がっているのがわかる。4トラックのテープレコーザーを使ってレコーディングしたとは思えない変幻自在のサウンドは、リマスター版でさらに磨きがかかっている。"Lucy In The Sky With Diamonds"のミュートがかったベースラインはより太くなり、どっしりした響きに生まれ変わっている。

この作品は、モノラルとステレオでミックスが異なっており、テープスピードや効果音の位置などが異なる曲も存在するが、今までの作品とは違ってステレオ版への力の入れようには目を見張るものがある。"Fixing A Hole"の後半で重なるコーラスはより大きく感じられ、ハープシコードの音も歪みが減少しているように聴こえる。

旧CDでは、"She's Leaving Home"で、ポールの歌いだし部分にプツプツという小さなノイズが入っていたが、新CDでは除去されてダブルバスの低音もよく響いている。

"Within You Without You"のタブラの音は明瞭になっており、音にメリハリが加わっている。ジョージによるこの曲は、インド音楽風のアレンジだが、旋律は美しくプログレッシヴ・ロック風にアレンジされていれば、もっと人気の曲になっていただろう。


"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)"のイントロに入っている観衆のざわめきは、旧CDではやや右側に定位していたが、新CDでは中央に寄せられている。また、曲が始まって11秒から17秒くらいにかけてマイクテストのようなメンバーの声が入っているが、新CDではよりはっきり聴きとることができる。


また、"A Day In The Life"のアウトロで、4分50秒辺りにオーケストラの残響が続いている途中に、イスがきしむ音と「シッ」という誰かの声が入っているが、今回のCDにもそのまま残されている。

細かなノイズリダクションや、例外的にリミックスが施されているなど、他のタイトルと比べてもより丁寧な仕事が行われているのは確かだ。

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