2009年12月21日月曜日

Please Please Me [2009 Stereo Remaster] ビートルズ リマスター試聴

ビートルズのデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」の2009年リマスター版CDと1987年版CDを試聴比較してみた。1987年版はモノラルだったので、ステレオ音源のマスターが採用されている点がもっとも大きく異なる。音質的には、左チャンネルに振られているギターの音像がよりくっきりしている他、右チャンネルのボーカルも若干クリアに聴こえる。

「プリーズ・プリーズ・ミー」のレコーディングが行われたのは1963年初頭。スタジオライブ式に2チャンネルで録音されているのと、元々モノラルを想定してのレコーディングだったため、片チャンネルにボーカル以外の演奏が同時収録されている。ステレオ音源への不満として、演奏部分とボーカル部分が単純に左右に振られている点がよく指摘されるが、たとえリミックスまでさかのぼったとしても、上記の方法で録音されている以上、細かなリミックス作業はやりようがないのである。

1987年のCD再発の際にはモノラルで一本化されたが、今回のステレオ版の発売にともなって、"Please Please Me"のテイクがステレオ版へと差し替えられている。これは、テイク自体が異なり、ジョンの歌い方が異なっている。また、リンゴがボーカルをとる"Boys"のみ、ドラムの音像が右チャンネルに振られている。全14曲のうち"Love Me Do"と"P.S. I Love You" の2曲はモノラルミックスが使用されている。ちなみに、"Love Me Do"のドラムは、リンゴではなくセッションドラマーのアンディ・ホワイトが叩いている。

今回はリマスターということで、大幅な音質の違いこそは確認できなかったが、あらためてステレオ版をCDで聴いて、アナログ時代に慣れ親しんだ音に触れた懐かしさに包まれたような気がした。

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