"Eleanor Rigby"は、弦楽八重奏をバックにした曲だが、音圧の違いが顕著に現れている。"Love You To"のイントロのシタールは、歪みが抑えられているのがわかるし、"Here, There And Everywhere"のコーラスを聴くと、旧CDよりも音に厚みが加わっている印象を受ける。
音質の違いが最も顕著なのが"Yellow Submarine"で、曲間に挿入されるサウンド・エフェクトの音は明らかにリアルになっている。
また、2分02秒からのサビ(コーラス)は、よりいっそう音圧を高めてメリハリ感が強調されている。ただし、これはほんのわずかな改良であり、ヘッドホンでじっくり聴いて気がつく程度である。
(ちなみにヘッドホンは、録音スタジオの定番である SONY MDR-CD900ST を使用)
前作までの音づくりとは一線を画し、この頃から4トラックを使って録音されていることもあり、ビートルズが新しい次元のアーティストへと変わっていく強烈な印象を残すアルバムだ。ステレオとしてのバランスは、まだ実験色が強いが、前の6作品と比べると格段に現代的なミックスが施されている。
近年、このアルバムの評価は上がっており、ビートルズのベストアルバム投票でも上位にくることが珍しくないが、上記のような音づくりの影響もあるのではないかと思う。
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