2015年3月30日月曜日

オリジナル キューブ型スピーカー製作記 その3

吸音材を入れたので、最後の裏板を貼り付ければスピーカーの完成です。密閉型スピーカーは気密性が重要ですので、接着にはクランプを使いました。

このまま放置すること数時間、タイトボンドが乾くのをじっくりと待ちます。

こうして裏板の接着が終わりました。片方のバッフルには小さな亀裂が入っています。




厚さ5mmのアガチスですと、一番短い木ネジを使っても板を貫通してしまいます。それを見越して間にワッシャーをかませたのですが、それでも若干めくれてしまったのです。

さて、さっそく音出しをしてみると・・。試聴結果は、マスキングテープで仮止めして聴いた時とあまり変化はありませんでした。中高音域は素直に出ているのですが、低音が不足しているのです。



試しに、3合枡で作ったスピーカー(ユニットは同じF77G98-6を使用)と聴き比べをしてみると、やはり低音が物足りない印象です。容量的には今回のもののほうが大きいのに低音が出ないのは、バッフル面の処理が影響しているとしか考えられません。

木ネジがバッフル前面に貫通するのを恐れた結果、ネジが十分に締まっていないため、隙間が生じているのでしょう。ここは、もう少々修正加工が必要です。

2015年3月29日日曜日

オリジナル キューブ型スピーカー製作記 その2

表面バッフルの色を変えて、AURATONE 5Cと同様にツートーン仕様にしてみました。

塗料は水性のステインを使用。色はマホガニー風の焦げ茶です。ここは好みに応じてもっと濃くしたり薄くしたりといろいろできるでしょう。

仕上げにラッカーを塗るとさらに質感が出てくるはずです。



バッフルをはめ込んだ状態が右の写真です。ステインとタイトボンドを吸って、若干木が膨張しますので、作業は円滑に行う必要があります。

このままだとまるでバードハウスのようです。試しにbird house speakerでイメージ検索してみると、海外のブログなどでいろいろ出てきました。人間が考えることは、万国共通ですね(笑)。





8cmユニットのF77G98-6を取り付けました。今回は、内部容量にも余裕があるので、見た目の良さも考慮して裏面から取り付けることにしました。

後面取り付けなので、スピーカー完成後は二度と開けられませんので、配線はハンダ付けしています。

ターミナルは、秋月電子で買った1個270円のMB-133-Gを使いました。



まずは、吸音材を詰めずにこの状態でマスキング用のテープで裏板を固定し、音出しをしてみました。

中高音が伸びた素直な音ですが、やはり低音の不足が気になりましたので、吸音材を仕込むことにしました。







本家のAURATONE 5Cには、グラスウールが2/3ほど入っているようですが、今回はスポンジ状の吸音材を切って写真のようにユニット後面を囲むように仕込みました。

多少の効果はありましたが、前に製作した3合枡の密閉型よりもあきらかに低音が不足しています。バッフルの後面から取り付けているため、穴とユニットとの間に隙間が生じているのが原因のようです。この隙間は、シリコンなどでシーリングする予定です。

オリジナル キューブ型スピーカー製作記 その1

オリジナルのキューブ型のスピーカーを作ることにしました。外形寸法はW120×H120×D100mmくらいのもの四角い箱です。キューブサイズと知って真っ先に思い浮かぶのは、スタジオの定番モニターとして広く使われていたAURATONEというスピーカーです。


私が映像の仕事をしていた1980年代当時、NHKをはじめ放送局の定番モニターといえば、メインがDIATONE 2S-305、サブがAURATONE 5Cというのが決まりでした。ミキシングコンソールの上にちょこんと載っている、このキューブ型スピーカーを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

 AURATONE 5Cは、12.5cmのフルレンジユニットを、外形寸法:W165×H165×D146mmのエンクロージャーに収めた可愛らしいスピーカーです。

今回は、縦横奥共に4.5cmほど外寸が小型のキューブ型スピーカーを作ってみたいと思います。スピーカーユニットは、コストパフォーマンス抜群な東京コーン紙製作所の8cmユニット、F77G98-6で行くことに決めました。



5Cのユニットが12.5cmなので、ユニットサイズに対してのエンクロージャー容量としては、5Cと同じ比率になります。これは、制作後に分かったことですが、偶然にしては出来すぎの気がしますね(笑)。

製作用の図面を手帳に書き起こしました。2つの箱では、大きさに1~2mm単位のバラつきがあります。面倒ですが、1個ずつ採寸しオーダーメイドで部材を作らなくてはなりません。




また、今回はバッフルを埋め込み式にする予定なので、内寸を正確に測る必要があります。計測用にノギスは必須です。

8×8×900mmの檜棒材をカットしてもらい、箱の四角に補強材として接着した状態です。バッフルの厚さとなる5mm分の余白ができるようにカットしています。

バッフルと裏板には、アガチスの5×120×600の板材を使いました。幅が120mmなので、裏板はそのままカットするだけで使えると思ったのですが、板材も伸び縮みするので、ジャストとはいきません。木工加工の泣きどころです。

バッフル面にφ74mmの穴を開けてもらいました。やはり、プロ用機材での加工は精度が高いです。

今回は、ディスプレイ箱の厚さ5mmに合わせてこの板材を使いましたが、ユニットを内部から取り付ける場合は、最低でも7mmくらいの厚さが必要なことが、この後の工程で分かりました。

2015年3月25日水曜日

Gibson L-00 新品vsヴィンテージ 比較試奏記

Gibson L-00のヴィンテージ仕様の新品ギターがここ数年、楽器店の売場を飾るようになりました。

2000年代初頭につくられていた深胴タイプのL-00に代わってGibsonのカタログに載っていたのは、Blues Kingと名付けられたモデルで、2005年〜2012年頃まではこれが唯一のL-00直系ギターでした。
世界的に評価が定まっている1930年代、プリウォーのL-00とは、ボディ厚などの構造が異なるまったく別物のギターでしたが、2013年に1932 L-00 Reissueという60万円超(店頭価格40万円台)のモデルが出て以来、1930年代の黄金期と同じ仕様のL-00がこぞって発売されました。


現在のカタログには、店頭価格20万円台後半のL-00 True Vintageと30万円台前半の1932 L-00 Tribute Sunburstが載っていて、人気も鰻上りのようです。

そこで、本物のヴィンテージ・プリウォーと新品のL-00を取りそろえているショップを訪ねて実際に比較試奏してきたので、その結果をレポートします。



写真の左側が1930年代中頃のヴィンテージL-00、右側が新品の1932 L-00 Tribute Sunburstです。さて、その結果は・・?

まったく問題にならないほど、ヴィンテージ・プリウォーの圧勝でした。これが同じ構造のギター!?というほどに、音量、音色、奥行、明るさなどすべての面で、ヴィンテージ・プリウォーの素晴らしさが光りました。

続いて、他の店舗で弾かせてもらったのが、1932 L-00 Reissueです。こちらは、Tribute Sunburstよりもボディは軽めで、音の明るさは感じましたが、やはりヴィンテージ・プリウォーとは比べものにならないレベルです。
元の店員さんいわく「そもそも、新品とヴィンテージでは製造された年代や環境がまったく異なりますので、比較をしてもしょうがないのです」とのことでしたが、高い買い物をする側からすると、どうしても比べたくなるのが人情というわけで・・。

今回は、その場にヴィンテージと新品が並んでいたので、直接その両方を弾き比べすることができましたが、あまりの音の違いに唖然としてしまうほど、その差は歴然としています。

やはり、L-00のプリウォーは素晴らしいです!

ところで、 我家には同じ1930年代中期のL-00があったのですが、どうしても欲しいという人が現れたので、そのギター(一番上の写真)をお譲りした足で、お店へ直行し、試奏させてもらったL-00をGETしてしまいました。見た目はボロですが、音は素晴らしいギターです。

2015年3月24日火曜日

オリジナル スワン型スピーカー製作記 その9


北日本音響製のF02406H0という6cmフルレンジユニットを、1合枡に取り付けました。

サイズに対してフェライト型のマグネットも大きく、なかなか期待のできるスピーカーユニットです。

fostexのP650Kよりもひと回りコンパクトで、価格は1/3というダークホース的スピーカーなのです。








6cm フェライト型スピーカー F02406H0
・口径:φ60mm 
・定格入力:10W 
・インピーダンス:8Ω

CDラジオカセットや大型液晶モニター等の内蔵スピーカー用ユニットのようですが、木製のエンクロージャーに収めれば、期待以上の性能を発揮してくれそうです。





このスピーカー頭部を、アポロB型の共鳴箱に載せて音出しをしてみました。オールラウンドなfostex P650Kをやや小ぶりにした大きさですが、その見た目通りの精緻な音を聴かせてくれます。

さすがに、低音再生には物足りなさを感じますが、中高域には張りがあって、なかなか明快で爽やかなサウンドです。





純粋オーディオ用のP650Kと比較するのは酷かもしれませんが、なかなかどうしてこれはこれで使えるスピーカーユニットだと思います。

既成の枡を使ったオリジナルスワン型スピーカー“アポロ”の魅力のひとつは時短です。長岡式スワンの製作には、多大な時間を要しますが、その1/10ほどの労力で出来てしまう手軽さは、大きな利点かもしれません。

オリジナル スワン型スピーカー製作記 その8

ダブルバスレフのスワン型スピーカー“アポロB型”の共鳴箱が完成しました。fostex P650Kを取り付けた1合枡のヘッドをネックに載せて、さっそく音出しをしてみました。

バックロードホーンの“アポロA型”とは、あきらかに違う音が響いてきました。低音はより太く、響きが抑制されたタイトな音です。




この違いは、聴く人によって好みがハッキリと分かれそうです。構造上当然ですが、アポロB型のほうが一般的なバスレフ型スピーカーに近い音がします。

試しに、バスレフの開口部を前面側にして聴いていみると、よりこの傾向は顕著になりますが、これではわざわざスワン型にしている意味が薄れてしまいます。





やはり、バスレフの開口部は後面側にセッティングするべきでしょう。点音源の定位と背部から伝わる低音という、スワン型スピーカーの持ち味がこのほうが発揮されるからです。

ダブルバスレフとバックロードホーンの音の違いを知る意味でも、今回のスピーカーは良い教材になりました。





個人的には、ジャズ系の管楽器との相性が良いバックロードホーンのほうが個性的で面白い音だと思います。

今回はどちらの共鳴箱にも吸音材は仕込んでいませんが、これを内部に貼るだけでもかなりの音の変化が予想されます。また次回、試してみたいと思います。

オリジナル スワン型スピーカー製作記 その7

アポロB型の部材がそろったので、接着の工程に入ります。まずはネックの接着です。いつもと同様に、タイトボンドを使って接着しました。










次は、ネックを通った音を共鳴箱内部に放射するダクトの接着です。このダクトは、積層紙製のバスレフダクト(既製品)ですが、使いきったガムテープの芯でも代用できそうです。









そして、開口部上面の仕切り板の接着です。百均の枡は、この1升枡に限らず、内寸、外寸ともにサイズにばらつきがあります。

この枡は、もう一つの枡と比べて内寸が広く、仕切り板の接着にクランプが必要になりました。




また、仕切り板として使っているMDFの断面は水をよく吸うため、水性のボンドも吸い込みます。その結果、木が伸び縮みするので注意が必要です。

今回は、ボンドを塗ってからあきらかに木が縮んでしまったため、余計にクランプによる圧着が必要になりました。




 最後に裏板を貼り付ければ完成です。仕切り板の細長い開口は、DIYショップに頼んでやってもらいました。











少しでも寸法に狂いがあると、このようにクランプによる圧着が必要になります。

ちなみにもう1個のほうは、仕切り板がぴったりと収まったためか、クランプの必要もありませんでした。

オリジナル スワン型スピーカー製作記 その6

100円ショップで買ってきた1升枡です。1升なので、内容量1800mlのエンクロージャーになります。

通常の1升枡は2,000円前後で売られているので、容量が大きい枡ほどお買い得です。

百均の1升枡は止め組み(Vカット)で作られています。通常の1升枡は、アリ組み(ロッキング)という、甲と乙を互い違いに組み合わせた構造になっています。


自在錐を3cm経に合わせて、ドリルで削っていきます。慣れ具合によって削る時間も多少は変わってくるとは思いますが、1つ穴を開けるまでに大体15分ほど時間を要します。

もっと効率よく作業できる方法が他にあると良いのですが・・・。




これが、アポロB型の作製に使用する部材のすべてです。(ヘッドの1合枡とスピーカーユニットは除く)

ここまで材料がそろえば、組み立て自体は簡単です。

共鳴箱の内部構造です。ネックから放射口までが第1バスレフ、開口部の上面を仕切る板が第2バスレフの役目を果たします。

※右の写真は、部材を貼り付ける前の段階なので実際の接着位置とは異なります。

オリジナル スワン型スピーカー製作記 その5

オリジナルのスワン型スピーカー“アポロ”A型は、バックロードホーンでしたが、同時に設計したB型は、ダブルバスレフ型の構造です。

設計当初から、バックロードホーン型とダブルバスレフ型の音の違いについては、ある程度想像しておりました。前者はホーン構造そのものの伸びやかで開放的なサウンド、後者はダブルバスレフ型ならではのタイトで重厚なサウンド。それが想像していた違いです。



スピーカーの容量は同じですので、あとは内部構造の違いでどこまで音が変わるのか・・比較試聴するまでは、ずっと未知数でしたが、果たしてその結果はどうだったのでしょう?

気になる試聴結果は、後で紹介することにして、今回はアポロB型の設計図面を紹介します。構造は、バックロードホーンのA型と比較すると非常にシンプルです。

正面立面図>
ヘッド:1合枡
共鳴箱:1升枡
バッフル:82×82mm、φ60mm(9mm厚MDF材)
音道1(ネック):外径φ44mm、内径φ25mm(木管)

 <後面透視図
音道2:45×φ70(60)mm(積層紙製バスレフダクト)
音道3:154×65mm(9mm厚MDF材)
※65mmは奥行き
 後面立面図>
裏板:171×171mm(9mm厚MDF材)
   152×15mm(開口)















<側面立面図
ターミナル:プッシュ型ターミナル(秋月電子)











設計図の著作権はこのブログに属します。
無断使用は固くお断りします。

2015年3月20日金曜日

オリジナル スワン型スピーカー製作記 その4

バックロードホーンのA型が完成しました。ネックは最初のプロトタイプの半分の長さになりました。そのせいか、より擬人化して見えます。

真横から見ると、裏板が見ようによってはバックパックのようで、ホンダの二足歩行ロボットのASIMOやアポロの宇宙飛行士をイメージさせます。






そんなわけで、このスピーカーには愛着を込めて“アポロ”と名づけたいと思います。アポロ11号の月面着陸から46年後、我家のアポロも今日、新たな一歩を踏み出したのです(笑)。

アポロは、枡という普遍的な材料を使用するという点において、いつでもどこでも作れるというメリットがあります。


スピーカーのエンクロージャーを製作する上では、箱の奥行を重視する傾向が根強くあり、それは低音再生に有利とされます。

しかし黎明期のステレオでは、かなり薄型の筐体が使われていました。アナログレコードに真空管が主流だった時代は聴感上の奥行があったために、スピーカーは厚さより面の広さを重視した設計がされていたのだろうと思います。

アポロの筐体には、枡がベースとして使われていますので、当然ながら奥行はかせげません。そのかわり、縦横の空洞を使うことで低音を増幅させる構造となります。

点音源の定位とバックロードホーンの音場という相反する特徴を合わせ持った、デスクトップで使える小型スピーカーが、このアポロというわけです。




さて、ヘッドを木管の上にのせていよいよ音出しです。試聴用アンプにはLepaiのLP-V3を使いました。目の前に広がった音は、まさにスワン型バックロードホーンの特徴そのものでした。

以前作った、ミニスワンをさらにコンパクトにした大きさで、手軽にスワン型スピーカーの音が楽しめる、とてもコストパフォーマンスの高いスピーカーが出来あがりました。

2015年3月19日木曜日

オリジナル スワン型スピーカー製作記 その3

DIYショップに頼んでいたバッフルができあがりました。こちらは500円の1合枡用で82.5mm×83mm、穴はφ60mmで加工してもらったもの。

この1合枡は、本物の枡(百均のものは枡型小物入れ)なので精度は高く、檜を使っているので良い香りのする良品です。

使用するユニットが安価なので、1個500円のエンクロージャーは高級な感じがします(笑)。

 
行きつけのDIYショップでは、売り場で買った材料しか加工してもらえないので、100円ショップで買った枡の穴開け用に自在錐を買うことにしました。

ネット通販で送料込み2,933円の出費でしたが、今後もバッフル用の穴開けに使えるので、ここは奮発のしどころです。


このように、電動ドリルに取り付けて使います。切る材料は万力などでしっかりと固定する必要があります。

ドリルを回転させると、みるみるうちに穴が削られていきますが、9mmの厚みがある板では思いのほか時間がかかります。








すべて自分で作業したい人には便利なツールではありますが、その労力を考えると・・なるべく自分ではやりたくない作業です(苦笑)。

丸はきれいに削れますが、精度の点ではプロ用機材にはかないません。また、切口が露出するような用途にも向かないと思います。


音道用の穴をくり抜いた1升枡と1合枡です。共に百均の枡ですが、材質が異なるのでしょう、1升枡のほうが木がやわらかく、削りやすいです。

薄くやわらかい板は、強度はありませんが、その分振動が大きいので、共鳴しやすい性質を持っています。その意味では、音圧を効率よく伝えるべきヘッドパーツは固いほうが良いと考えられます。


1升枡の内部に音道用の板材を貼りあわせた状態です。なるべく音道を広くしたいので、ここは4mm厚のMDF材を使いました。

ネックを音道1とすると、共鳴箱の穴の下にのびる2枚が音道2、コの字の板材が音道3になります。

組み上げてみると、音道3のコの字の間隔はもう少し広くても良かったかもしれません。(現状は74mmなので82mmくらい?)

空気は、狭いところから広いところへ抜ける際に圧力として増幅されます。

トランペットやサックスなど管楽器の構造がそうですし、ドーム球場から外へ出るときに感じる風圧を経験したことがある方なら、その威力を体で感じて知っているのではないでしょうか。

バックロードホーンの基本原理はこれと同じといっていいでしょう。



音道の貼り付けの後は、裏板を貼り付けてさらにネックを接着すれば、枡スワン型スピーカーの共鳴箱が完成です。

1合枡のヘッドパーツは、使うユニットごとに交換して使いまわせるよう、しばらくは固定せずにこのまま使おうと思います。

さあ、どんな音が飛び出すのでしょうか?