2018年8月20日月曜日

秋葉原ラジオセンター2F 山本無線 E-BOX にて展示販売決定!

2018年8/21(火)から9/20(木)の1カ月間に渡って、秋葉原のラジオセンター2Fの山本無線 E-BOXにて、モノフォニカのショーケースを設置する運びとなりました。


ラジオセンターといえば、戦後日本の電気産業復興の礎となった記念すべき場所。その同じ敷地内にショーケースを持てることに対して、大きな喜びと興奮を感じずにはおれません。

ショーケースでは、自作スピーカーやウッドケース付きのアンプ、絶版のスピーカーユニットなどを展示販売する予定です。
秋葉原にお越しの際は、ぜひラジオセンター2Fの山本無線 E-BOX、346ショーケースにお立ち寄りください!

■出品予定
『77CUBE』
『77CUBE II』
『CAN SPEAK キャンベル TYPE A』
『CAN SPEAK キャンベル TYPE B』
『SOUND KETTLE』
『GRASS DOME』
『Lepai LP-2020A+ ウッドケース付き』
『Lepy LP-V3S ウッドケース付き』
その他

2018年8月17日金曜日

キャンベル・スープ缶を使った『CAN SPEAK 』の第5弾が完成!

キャンベル・スープの空き缶を使った『CAN SPEAK』の第5弾ができた。キャンベル・スープ缶は、その普遍的なデザインが美しく、並べておくだけでポップアートのようになってしまうパッケージが大きな魅力だ。

日本では、紀伊国屋や明治屋といった在外国人向けの輸入食品スーパーに行かないとなかなか買えなかったが、最近ではすこし大きめのスーパーへ行けばどこでも手に入るようになった。これは、アンディ・ウォーホルの版画が広告塔として寄与していることと決して無縁ではないだろう。

前回のキャンベル・スピーカーは、6cmフルレンジのスピーカーユニットの正面を缶の上面に取り付け、底面には4cmのパッシブラジエーターを取り付けて低音を増強、さらにスピーカー上面には頑丈なグリルを設置し、その中央にスチール球をのせることで、音を360°水平に拡散するという非常に凝ったつくりだった。

しかし、今回は初代『CAN SPEAK』の意志を引き継ぎ、ドラム缶内を音がリング状に伝わる性質を生かし、その音を底面でリバウンドさせてふたたびリング状にはね返ってきた音をスピーカーユニットのコーン(膜)を通して放出するという、リングリバウンド方式を取り入れた。

初代『CAN SPEAK』では、高域が減衰して音がこもる傾向があったのだが、今回はどうだったかというと、高域が減衰することでかえってバランスのとれた自然な音となって空間に広がるという、非常に良い結果がもたらされた。

これには正直、面食らってしまった。その素直で聴き疲れしない音は、これ以上何も付け足す必要がないと思わせるに十分な音である。

音がこもる原因は、リングリバウンド方式という構造によるものではなく、使用するスピーカーユニットの特性によるものだということが今回の試作でわかった。

初代『CAN SPEAK』で使っていたスピーカーユニットでは、十分な高域を背面から再生することができなかったのだが、今回のユニットの場合、スピーカーの向きが逆のほうがバランスのとれた音になるのだ。高域に特化したフルレンジであれば、リングリバウンド方式にうまく適合させることができる。これは新たな発見であり大きな収穫でもあった。『CAN SPEAK』との道のりは、まだまだ長くなりそうだ。

2018年8月16日木曜日

仕込釜タイプのスピーカー『サウンドケトル』が完成した!

仕込釜とは、ビール工場にある大きな釜のことである。ビールをつくる際に、原材料となる砕いた麦芽に、米、コーン・スターチなどの副原料をお湯に入れて煮る際に使う釜で、その形状は昔から変わっておらず、釜の中央にはチムニー(煙突)がのびている。

今回は、この仕込釜のかたちをヒントにスピーカーをつくることにした。名付けて『SOUND KETTLE』サウンドケトル。仕込釜は英語でCHARGED KETTLE(チャージドケトル)というらしく、そこから思いついた名前だ。

前回は、ワイングラス型のガラスドームをエンクロージャーに見立てたスピーカー『GRASS DOME』を作ったが、スピーカーとしての基本的な構造は今回も同じである。ドームの素材となる筐体がガラスから陶器に変わっただけだ。

白くて艶のある陶器は、一見するとやかんのようにも見えるが元の素材は土だ。陶器を使ったスピーカーというのは、古今東西さまざまなものがあり、なかでも最も有名なのが、ジョーダン・ワッツ社の『フラゴン』だろう。


『フラゴン』は、平べったいとっくりのかたちをしたエンクーローシャーのボディにスピーカーユニットを埋め込んだ形状で、そのユニークなかたちは一度見たらわすれないインパクトのあるものだ。上部には穴の開いた突起があり、ここがバスレフの役割を果たしている。コルクの蓋をあけたりしめたりすることで、低音の調整ができるようになっている。




さて、今回の『サウンドケトル』だが、特徴としては前回つくった『GRASS DOME』と同様、エンクロージャーとスピーカーユニットの接合部にはバッフルを設けず、開口部とスピーカーユニットが直接つながる一体構造となっている。

このため、ドームに向けて放射された音波がはね返ってきた際、バッフルにあたって反射することで定在波が発生するのを防ぐ効果が期待できる。

スピーカーユニットには、重量級のマグネットをもつアメリカ製の8cmフルレンジ、HiVi B3N を使った。コーン素材はアルミで、やわらかさのある素直なサウンドが特徴のなかなか好感のもてるものだ。

しかし、なんといってもつや消し黒で統一されたユニット背面のデザインが美しく、艶のある白磁のエンクロージャーと好対照なのがいい。サイズ的にもちょうど良く、見た目のバランスも良い感じだ。

サイズ:横幅12.5cm×縦15cm×奥12.5cm
重量:約0.95kg

スピーカーユニットと陶器との接合には、白のシリコンシーラントを使った。弾力性のあるシリコンは、陶器のような割れやすい素材との相性もよく、緩衝剤としての役目も果たしてくれそうだ。

今回の陶器は底面が平らなため、内部は完全な球面にはならないが、空気の流れが乱れることなく循環しているのは音を聴いた瞬間にわかった。ドーム型ならではの乱反射を抑えた純度の高い原音再生が可能だ。スピーカーの見た目どおり、ふくよかでやわらかいナチュラルな音が魅力だ。

2018年8月14日火曜日

ワイングラス型スピーカー『GLASS DOME』をつくった!

ワイングラス型のガラスドームを使ったスピーカーを考案した。スピーカーユニットをエンクロージャーに対して逆向きに取り付ける方法は、自作の『CAN SPEAK』の記事ですでに公開済みである。

『CAN SPEAK』はリング状に伝わった音を底面でリバウンドさせ、ふたたびリング状に跳ね返ってきた音を、スピーカーユニットのコーン(膜)を通して音を出す方式。

この音がリバウンドした際に、ドラム缶独自の反射(共振)が発生し、それがゲートエコーのような効果をもたらし、ラッパから放射される蓄音機のような独特の音場をつくりだすのだが、この方法ではどうしても高域が減衰してしまい、音がこもりがちになってしまう傾向が拭えなかった。

そこで極力、音の反射をふせぐためにドーム型のエンクロージャーを考えているうちに、頭の中でひらめいたのがワイングラス型のガラスドームだった。

しかし、スピーカーユニットにぴったり合うガラス素材がそう簡単に見つかるはずもなく、計画はしばらく頓挫していたのだった。今回、運良くぴったりなガラス器(個人制作)が手に入ったので、念願のガラスドーム式スピーカーを試すことができた。

スピーカーユニットには、東京コーン紙製作所の F77G 98-6 を使用することに決めた。エッジの外枠がゴム製のため、ガラスの開口部と密着させる際の伸縮が容易だからである。バッフル面も持たないため乱反射のないピュアなサウンドの再生が可能となるはずだ。

密閉式の場合、定在波を極限まで抑えるためには、スピーカーユニットとガラスドームが一体化した球体のような構造が理想的である。また、今回のスピーカーは空洞に配線やユニット背面のフレーム、マグネットといった物質が存在しないため、より純度の高い音の再生が期待できる。

音の伝わり方【概念図】
極力シンプルにという今回のコンセプトに沿って、アンプとの接続にはターミナルを使わず、ワニグチクリップのスピーカーケーブルを使うことにした。

音を聴いてみての感想だが、スピーカーユニット正面から放射される音が全方位にわたって乱反射することなく180°まわってコーン(膜)に戻ってくるためか、にごりのないピュアな音という印象だ。

高域はセンターキャップから発せられるため、正面で聴いた場合と比較すると明瞭度が落ちてしまうのは仕方ないが、それでも乱反射のない純度の高い音が還流することの効果ははかりしれないものがある。
シンプルの極みのような構造とデザインではあるが、これは立派なスピーカーである。試しに水を半分ほど注いだ状態で音を聴いてみると、中域が前に出てみずみずしい音に変化した。

水の量を増やしていくと低域が減衰していくのが分かった。エンクロージャーの空気量を水で容易に変化させることができ、音の変化を自由に楽しむこともできる。このまま『大人の科学』の付録になりそうなスピーカー、名付けて『GLASS DOME』がここに誕生した。

2018年8月8日水曜日

ミッキーマウスのケースで『サウンドトランク』をつくった!

1980年代に、大阪のラッキーコーポレーションという会社が製造販売していた、ミッキーマウスのカセットテープケースを骨董商のオークションで入手した。

いつ、どこでどのような経緯で売られていたものなのかは不明だが、ウォルト・ディズニー・カンパニー社のライセンスを取得して作られたオフィシャルグッズのようである。

素材はブリキでできており、サイズは縦:24cm 横:26cm 奥行:8cm。半円形の取っ手とミッキーマウスの絵がなんとも可愛らしい。
オフィシャルグッズとはいえ、使用感もあるし掘り出し物ではなかったのだが、この機会を逃すと二度と手に入らないかもしれない・・・そんな思いで入札してみたら、運良く?そのまま落札することができた。

さて、このケースを何に使うかだが、デザインを一目見て頭の中でひらめいたのがミッキーの耳にスピーカーを埋め込んだ、アンプ内蔵スピーカーを作ることだった。まずは、耳の部分にぴったりなスピーカーユニットを探さなくてはならない。できればセンターキャップのないタイプで5cmφ以内のものが理想だ。

検討した挙げ句、購入したのは通販で売っていたフルレンジスピーカーユニット2インチ(50mm) 。「小口径なのに圧倒的迫力!高品質&高耐久フルレンジスピーカー」と謳われている製品で、マグネットには ACP W225R 8Ω 3W 130513A と印刷されている。






難点は、ファイバーコーン+樹脂コーティングの素材でできたコーン表面がシルバー仕上げされている点。ミッキーの耳に埋め込むので、ここは黒でなくてはならない。そこで、家にあったつや消し黒のスプレーで表面を塗装することにした。

次は、ミッキーの耳にピッタリの穴を開ける作業である。ここを失敗すると、元も子もないので慎重に作業をしなくてはならない。ブリキは薄い素材を使っているため、削る作業自体はそれほど大変ではないが、あせって作業をするとプリント面に傷を付けてしまうこともあるからだ。

注意点としては、一気に片側から削るのではなく半分ほど削れたら反対側にも切り口を開けて少しずつ両面から削っていくこと。これは、他の素材を削るときも、きれいに仕上げるための必須テクニックだ。

次に、スピーカーユニットをバッフルに固定する工程だ。このスピーカーユニットは、取り付け金具がコーンより奥に付いていて扱いづらい構造となっている。しかも、ミッキーの耳に8つのビス穴を開けなくてはならない。これでは見た目も良くないので、他の方法で固定するしかない。

加工の手間を省き、バッフルとユニットのすき間を埋めるためにとった方法は、シリコンシーラントによるコーキングだ。

ケース内には『サウンドトランク』用の小型アンプと12Vのバッテリーを搭載し、iPodをつないで音を出してみると、かなりの音量で切れの良い音が飛び出してきた。

「小口径なのに圧倒的迫力!高品質&高耐久フルレンジスピーカー」の宣伝文句も肯ける、必要十分な音量とメリハリのある音質を楽しむことができるスピーカーが完成した。
ミッキーマウスの『サウンドトランク』 が完成した週末は、休暇をとって静岡県の保養所に宿泊したのだが、プールサイドで夕陽を浴びながら聴いたイーグルスの「ホテル・カリフォリニア」は格別だった。

10W×2を出力するデジタルパワーアンプは、8Ω 3Wの5cmフルレンジを余裕でドライブしてくれる。この音量があれば、海水浴に持っていっても十分に使えそうである。空いているスペースにサンドイッチとジュースを入れて、ランチバッグとして使うのも良いかもしれない。

キャンベル・スープ缶を使った『CAN SPEAK 』をつくった! -4

キャンベル・スピーカーの上にのせる、音響拡散のための球面素材に使えそうなものを偶然ある店で見つけた。

ガラスの多面体で構成されたペーパーウェイトがそれだ。スチール球が約100gなのに対し、ガラス球のほうは約50gと軽量だが、ミラーボールのような反射面が美しい。

このガラス球、ペーパーウェイトなので底面が平らになっているため、上にのせる際には上部のとがった部分をスピーカーグリルの中心に埋めるようにして設置してみた。

2個のせてみると、見た目のゴージャズ感ではスチール球より上である。音の拡散性能については、中心から12面にわたってガラスがカットされているので、スピーカーのセンターキャップから発せられる音を12方向へ拡散させる効果が期待できる。

スチール球との比較では、ガラス球のほうがエッジが効いていて音を拡散する瞬発力は上回っているようだ。
一方のスチール球は、ガラス球で際立っていたエッジがとれ、反射する向きがすべて均一なため音波が振る舞うことで音がまるくなり、より自然な広がり方をしているように感じる。

いずれにしても、聴感上の差はごくわずかなので、最後は気分の問題のほうが大きいかもしれない。

尚、数時間のテストの結果、音量を上げていくとその音圧でガラス玉は微妙に向きが変わったりと影響を受けていることがわかった。

一方、スチール球のほうは微動だにせず安定しており、これは重量の差がそのまま影響しているようだ。

ガラス球は平らな底面を下にすることで、この問題は回避できそうだ。音が拡散していく瞬発力は衰えるが、逆さに設置しているときより音がまろやかになり自然な広がりかたになる。

低音に関しては、倍の重さを持つスチール球のほうが弾力感のあるタイトな響きで一枚上の印象だ。低音が増し音が360°に広がる上に設置上の安定感もあることを考えると、トータルではスチール球に軍配があがりそうである。

2018年8月7日火曜日

キャンベル・スープ缶を使った『CAN SPEAK 』をつくった! -3

キャンベル・スピーカーのグリルの真ん中には、丸い穴が開いている。この穴を利用して、スピーカーから出る音を360°に広げられないかと考えた。

スピーカーが上向きに取り付けられた無指向性のスピーカーの場合、音の出口に球体もしくは円錐状の素材を設置すると音を全方位に拡散させる効果があるようだ。


はじめに思いついたのは円錐の錘。金属製のアルミと真鍮のものが候補に上がったが、アルミは軽くて安定性に欠けるのが難点。真鍮は重くて良いのだが値段が高い。考えたあげくズシリと重みのあるスチール球を採用することにした。

スチール球の大きさは31.75mmで、やや大きめのビー玉といったサイズである。
このスチール球を真ん中の穴にのせてみると重量もあるためか、ピタッと止まって安定感もある。
見た目もグリルと同色で、キャンベル缶の丸みを帯びたデザインとのマッチングも良い感じである。

さて、音の変化はどうかというと、音が広がる効果はもちろんのこと、スチール球の重さで缶全体の共振が抑えられるためか、パッシブラジエーターからの低音がよりタイトになり、低音があきらかに増すことが分かった。

(1)グリルなし、(2)グリルのみ、(3)グリル+スチール球を聴きくらべた結果、 (3) の弾力感のある低音の響きが気に入った。

エンクロージャーの重さや厚さに関しては、さまざまな意見があるが、個人的には楽器のように鳴るスピーカーが好き(良く鳴るアコースティックギターほど、木は薄くて軽い)で、従来のような重厚長大型の考え方には異を唱えてきたのだが、このスピーカーに限っては、適度な重さが必要なようだ。

スチール球をのせるだけで、音は空間全体に広がり、パッシブラジエーターが目を覚ましたかのように震えだすのだから不思議だ。試しに、渡辺貞夫の『ウォーターカラーズ』という曲を聴いてみると、サックスの響きがとても自然に聴こえてきて感動した。寺井尚子による『シャレード』のバイオリンもとても自然な響きで生演奏に近い音だ。