2015年2月23日月曜日

スワン型バックロードホーン ターキー1/2 組み立て記 その12

ミニスワンにfostexのFF85WKを取り付けて12時間ほどエイジングすると、だいぶ音が安定してきました。

さすがにこのキット(ターキー1/2 美音堂工房)の推奨ユニットだけのことはあるな・・という印象です。

今回は、スピーカーのチェックと同時に、わが家にある小型アンプをつなぎ替えて試聴してみました。



まずは最近わが家へやって来た、ELEKITのTU-873から。300B真空管のシングルステレオパワーアンプです。

出力は7W×2ですが、パワー不足はまったく感じません。真空管らしい温もりのある音が流れてきました

ただし、ジャズやクラシックなどのアコースティック系やヴォーカルは良いのですが、ロックや電子音楽では今ひとつピンときません。音源ソースを選ぶのは真空管アンプの宿命なのかもしれません。



今回は、以下の3台のアンプもテストしました。どれも3,000円前後で買える脅威のコストパフォーマンスを誇るアンプです。

1)Lepai LP-2020A+
2)Lepai LP-V3S
3)Lepai LP-168HA






このなかで、FF85WKに一番ベストマッチなのは、LP-V3Sと感じました。音の出方が素直で、LP-2020A+より若干ですが骨太な低音がよく合っているのです。

LP-168HAも悪くはないのですが、音が元気すぎて曲によっては少しきつく感じることがありました。Lepaiの3台については大差はなく、スピーカーのセッティング次第で埋められるレベルだと思います。




スピーカーユニットを、ParcAudioのDCU-F102Wに替えてTU-873を聴いてみると、ふくよかな低音と透き通ってよく伸びる高音が泉のように溢れでてくるといった印象で、TU-873の持っている潜在能力の高さを感じることができました。

音がどっしりして安定感があり、中高音のヌケが良いのです。エリック・クラプトンの「アンプラグド」を、臨場感たっぷりに再生してくれました。

2015年2月22日日曜日

スワン型バックロードホーン ターキー1/2 組み立て記 その11

fostexの8cmフルレンジ、FF85WK用に作っておいたもうひとつのヘッドに、ターミナルを取り付けました。

ターミナルには配線コードが直接はんだ付けされています。配線コードの手前にあるのは、バナナプラグ端子のネジが収まる穴です。

ターミナルによっては、このように4カ所穴を開けるか、すこし大きめの穴を開ける必要があります。



とりあえず試聴するための取り付けなので、ネジ止めはしていません。ネジ止めは塗装が済んでから行う予定です。









FF85WKにファストン端子で配線コードを仮止めしているところです。FF85WKは、ParcAudioのDCU-F102Wより背面のマグネット部分もふた回りほどコンパクトです。




スピーカーユニットをヘッドに収めても、空洞にはまだ余裕があります。バッフルのほうも、DCU-F102Wに比べるとだいぶ余裕がある収まり具合です。

ミニスワンの音道にヘッドの穴をぴったり合わせるように載せれば、試聴用の簡易スピーカーが完成します。音漏れが気になる場合は、重りを載せれば良いでしょう。





DCU-F102Wとの比較は、このヘッドをスピーカーユニットごと載せ換えるだけなので、とても簡単です。さあ、FF85WKはどんな鳴り方をしてくれるのでしょうか。


初めての試聴は、前回同様ビートルズの「アビイ・ロード」にしました。DCU-F102Wと比較すると、レンジは狭く低音の量感も劣るものの、だいぶスッキリとした音です。

エイジングが十分ではないので、まだ真価は発揮してませんが、小音量でのナチュラルさはまずまずといった感じです。

fostexには、8cmフルレンジのベストセラーであるFE83Enと、廉価版の入門用P800Kがあります。

同じバッフルへの取り付けが可能なようなので、近いうちに比較試聴してみたいと思います。

2015年2月21日土曜日

スワン型バックロードホーン ターキー1/2 組み立て記 その10

ミニスワンにターミナルを取り付けました。このターミナル(ART CS-104)は、バナナプラグ端子の金属ネジが出っ張っているので、ケーブル配線用の穴と金属ネジ用の穴を2カ所開ける必要があります。

多少、大きめに開けてしまっても、ターミナルの背面には緩衝材が貼られているので、きっちりネジで固定すれば空気漏れの心配はありません。




ターミナルに内部配線コードを直接はんだ付けして、ParcAudioのDCU-F102W(通称“赤パーク”)にファストン端子でつなぎ、スピーカーのヘッド部分が完成しました。

8cmの赤パークは、バッフルサイズぎりぎりに収まるかたちです。スペース的にも空洞部分が少なく、スピーカー背面の音を即座にボディへと伝える構造となります。





ヘッド部分が完成したので、さっそくミニスワンのボディにヘッドを載せて試聴してみました。今回のスピーカー製作にはだいぶ時間をかけたので、感慨もひとしおです。

ミニサイズとはいえ、初めて聴くスワン型スピーカー。さあ、どんな音がするのでしょう!?

まず初めに聴いたのは、ビートルズの「アビイ・ロード」。私が中学生の頃から聴いているオーディオ・リファレンス用アルバムです。

第一印象は「なんだ・・この音は?」でした。全体的に中高音がきつく、何とも散漫な音なのです。しかし、落胆しつつも色々なソースを聴いていくうちに、音がみるみる変わっていくのがわかりました。



試聴アンプはデジタルアンプのLepai LP-2020A+。 このアンプも多少ハイ上がりの傾向がありますが、スピーカーとセッティング次第では「おっ!」というほどのクォリティを発揮してくれます。

ひとまず、この組み合わせで24時間ほどエイジングしてみようと思います。

2015年2月15日日曜日

スワン型バックロードホーン ターキー1/2 組み立て記 その9

ミニスワンの胴体部分が組み上がったので、ネックの接着を行いました。ヘッドからボデイへと音を伝える最初の音道となるネックです。

ネックの接着部分にたっぷりとタイトボンドを塗って、ボディ上面の開口部にピッタリ収まるように接着させます。

ボンドが乾く前に、ネック下部に取り付ける補強材を仮あてし、接着位置を微調整します。



この補強材(9番×2枚、8番、24番)を仮あてしてみたところ、なんと・・8番と24番の寸法が1.5mmほど短いではありませんか。



板取りの関係上なのか、何らかのミスなのかはわかりませんが、結構大きな誤差です。

先日パーツを作った際のMDF材(9mm厚)が余っていたので、いつものDIYショップの木材加工所でピッタリな寸法のパーツを作ってもらいました。



右の写真が、加工済みの部材(8番、24番)です。参考までに寸法を書いておきます。

MDF材 9mm厚

①50mm×51mm 2枚(24番)
②50mm×69mm 2枚(8番)

加工費だけなので、かかった費用は216円(税込)のみでした。


9番の部材は、元のパーツを使用するつもりですが、長さが1.5mmほど長いので、紙ヤスリでピッタリの長さに調整しようと思います。


このキット(美音堂工房さんのターキー1/2サイズ)で、これだけの誤差が出たのは初めてのこと。個体差かもしれませんが、もしそうでないなら、ここは是非とも修正してほしいと思います。

2015年2月11日水曜日

スワン型バックロードホーン ターキー1/2 組み立て記 その8

ミニスワンに上板を取り付ける工程まできました。

上板を取り付けるまでに時間が空いたのは、吸音材を仕込むかどうかで悩んでいたから・・と言いたいところですが、本当の理由は、これで内部構造が二度と見れなくなってしまうのが惜しかったからです。

スワン型の組み立ての醍醐味は、充分味わったつもりなので、意を決して上板の取り付けに臨みました(ちょっと大袈裟?)


スワン型への吸音材の仕込みについては、意見が分かれるようで、確固たる答えは見つかりません。ただし、ここはどちらかに決めないと先へ進めないので悩みどころです。

考えたあげく、fostexの図面(ターキー)の設計通りに、一箇所だけ吸音材を仕込むことにしました。「ハイパー・リント」というスピーカー用の吸音材です。

右の図は、fostexのFE138ES-Rに付属していた図面(ターキー)の写しです。真ん中の音道下部に吸音材を左右1箇所ずつ仕込む仕様になっています。

吸音材のハイパー・リントを定位置に仕込んだ状態です。この断面構造も、これでいよいよ見納めです。

ちなみに、上板と接地されるMDF切口の端部は、紙ヤスリで水平となるように削ってあります。ここは、紙ヤスリを平らな木片や当てゴムに貼りつけて凸凹が無くなるよう、丹念に削る作業が重要です。






端部にタイトボンドをたっぷりと塗ってから、筆でボンドを均等に塗っていきます。ボンドは、はみ出るくらいがちょうど良いそうです。

ボンドがはみ出たら、速やかに拭き取れるよう、水を湿らせて絞ったタオルをあらかじめ手元に用意しておくといいでしょう。

さあ、いよいよ上板の貼りつけです。上板は下板と同様、接着面が広いので、貼りつけてもボンドの反発力でフローティング状になります。

強い力で圧着すると、隙間からボンドがはみ出てくるので、タオルで手早く拭き取りましょう。(はみ出たまま、そのままにしておくと、ニスなど半透明系の塗料ではボンドの跡が残ってしまいます)
上板と下板の接着には、ハタ金などの工具が無くても、箱馬代わりに座っていればOKです。ただし、圧力で微妙に位置がズレますので微調整が必要です。

上板の接着が終わったミニスワンのボディです。これで、あの複雑な音道は、もう見ることができません。

完全にブラックボックスと化してしまいました。

2015年2月8日日曜日

スワン型バックロードホーン ターキー1/2 組み立て記 その7

完成が近づいてきたミニスワンですが、実はこのキットにはfostexの8cmユニット用のバッフルも同梱されており、このバッフルを有効活用する方法はないかと模索していました。

そこで、スピーカーのヘッドパーツをもう一つ製作することにしました。足りない木材はMDFの切り出しを行って、パーツを自分で作る必要があります。




以前失敗して貼りつけてしまったパーツとキットに付いていた原寸大の図面を参考に、切り出し加工用の図面を書き起こしました。

この図面をもって、行きつけのDIYショップの店員さんに相談してみると、前回余った木材も使って加工してくれるとのこと。

結局、A4サイズの12mm厚MDF材1枚(434円)だけで材料は足りました。余った木材は、捨てずに持っていると便利です。

左側の写真が、加工済みの木材パーツです。加工料と合わせて1,784円でした。







パーツがそろったので、さっそくヘッドを組み立てました。今回は2回目なので要領もわかっていたので、1時間程度で組み立てることができました。

ヘッドに関しては、ボンドが乾かないうちに微調整したほうが効率がいいと思います。上下左右に圧をかけると、しかるべき位置に木が収まって結果的に水平性が保たれるからです。

2つ目のヘッドが完成したのでミニスワンの推奨スピーカーユニットである、fostexの8cmフルレンジ、FF85WKを買ってきました。

試作第二号機で使ったFE83Enも同じピッチなので使い回して使えます。ミニスワンが完成したら、3つの8cmユニットを付け替えて比較試聴してみたいと思います。

スワン型バックロードホーン ターキー1/2 組み立て記 その6

今回のスピーカーには、正確な名前がありません。スワン型試作三号機でもいいのですが、なんとなくしっくりこないので・・ここは愛着を込めて「ミニスワン」と呼ぶことにしました。

というわけで、ミニスワンの裏板の接着です。この面は、あらかじめ誤差を吸収するための段差が付けてあるので、面をそろえる必要もなく簡単です。


そして次は、いよいよ底板の接着です。ここは、幾層もの板の切口に平面の板を接着する必要があるので、少々神経を使います。もっとも空気漏れが生じやすい箇所なので、切口を均一に水平にするため少し時間をかけました。

まずは、MDFの削りカスとタイトボンドを混ぜ合わせて、パテをつくります。このパテを切口の凹んだ箇所にたっぷりと塗って乾燥させます。一晩も乾かせば十分です。


乾いたら、200番以下の粗めの紙ヤスリを水平な木片などに貼りつけて、切口面を削っていきます。私は専用の当てゴムを使いました。あまり削り過ぎると、他の面との段差が生じますのでここは注意が必要です。

水平が出たら、底板を当てて密着状況を確認します。内部の細かな密着状態までは把握できませんので、おおよそのところで見切りをつけて接着することにしました。

切口面へたっぷりとタイトボンドを塗って、底板を貼りつけます。この時、ボンドのはみ出し方で各所の密着度がわかります。はみ出しがあまい箇所は、筆にパテを盛ってシーリングするとよいでしょう。