前の3作と比べると、今回のリマスター版でもっとも音質が良くなっているのではないだろうか。"No Reply"では、1分40秒辺りから指を鳴らす音が右チャンネルではっきり聴こえるが、モノラル版では埋没してしまってよく聴き取れない。
"Rock And Roll Music"を聴くと、音のクリア度がとくによくわかる。ギターのカッティングやボーカルのメリハリが格段に向上している。1分36秒あたりに一瞬入るスネアの音も、同じ録音とは思えないほど新鮮に聴こえる。
"Mr. Moonlight"では、38秒あたりにフロアドラムの音が入るが、音のダイナミクスというか響き方がまったく異なる。1987年モノラル版は、全体的に音が平坦でこもっているのに対し、今回のステレオリマスター版では、音の輪郭がクッキリとして、まるで目の前のベールが一枚はがれたような印象さえ受ける。
全3作と、何故ここまでリマスターの質が違うのか、不思議なほどである。マスターテープの劣化状態によるのか、リマスターを施したエンジニアが異なるのか、理由は定かではないが、旧CDとの音質の違いは明らかだ。
ステレオとしての定位やバランスも、今までの3作と比べ良くなっているので、前回のCD化で何故モノラル版が採用されたのかも謎である。デビューアルバムから順番に旧CDとの比較試聴をしてきたが、初期の4作品のなかではもっとも音質が向上しており、充分納得のいくリマスターだといえるだろう。
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