2010年1月3日日曜日

Magical Mystery Tour [2009 Stereo Remaster] ビートルズ リマスター試聴

1967年に発売された9枚目のアルバム(イギリスではEP2枚組)「マジカル・ミステリー・ツアー」を試聴した。旧CDと同様、オリジナルステレオ音源が元になっている。旧CDより全体的に中低音の音圧が上がっており、1曲目の"Magical Mystery Tour"では、バスドラムとベースの音が明らかにブーストされているのがわかる。ベースのブンブン唸る音やピッキングの気配が伝わってくる辺りは、好みもあろうが、よりHi-Fi感は増している。

"The Fool On The Hill"では、1分07秒辺りから入るタンバリンの音が、微かに明瞭になっている。"Your Mother Should Know"では、歩くようなベースラインの音がより太くなっていて、違うベースアンプを使っているように聴こえる。


"I Am The Walrus"では、旧CDでは消されていた、イントロで右チャンネルのオーケストラの導入部に入るメロトロンの音が、今回のリマスター版では消されず生かされている。臨場感が増して、スタジオの空気感が伝わってくる感じだ。また、間奏の後となる、2分11秒からのサビは、旧CDではジョンのボーカルに強いフェイザーがかかって、音がこもった感じになっていたが、今回のリマスターでは左チャンネルに高音域を加えることで、この"こもり感"をやわらげている。(ミックスそのもののヴァージョンも旧CDとは異なるようだ)


"Hello Goodbye"は、全体的に音圧が上がっており、低音がブースト気味に味付けされている。"Strawberry Fields Forever"も、ヴァージョン違いの多い曲だが、旧CDとの違いは音質以外には見あたらなかった。ただし、曲が終わった後のブランクが新CDのほうが3秒短く、次の"Penny Lane"がすぐに始まる。"All You Need Is Love"に関しては、音圧も含めて旧CDとの違いはほとんど感じられなかった。


このアルバムでは、明らかに音が変わっている曲もあれば、ほとんど変わっていない曲もあるはで、おそらくリマスターにかける時間も、曲によってかなりのバラツキがあったのではないかと思わせる発見があった。ステレオマスターにも複数のテイクがあるのが理由と思われるが、エンジニアのこだわりも多少は反映されているのかもしれない。

0 件のコメント: