2018年8月17日金曜日

キャンベル・スープ缶を使った『CAN SPEAK 』の第5弾が完成!

キャンベル・スープの空き缶を使った『CAN SPEAK』の第5弾ができた。キャンベル・スープ缶は、その普遍的なデザインが美しく、並べておくだけでポップアートのようになってしまうパッケージが大きな魅力だ。

日本では、紀伊国屋や明治屋といった在外国人向けの輸入食品スーパーに行かないとなかなか買えなかったが、最近ではすこし大きめのスーパーへ行けばどこでも手に入るようになった。これは、アンディ・ウォーホルの版画が広告塔として寄与していることと決して無縁ではないだろう。

前回のキャンベル・スピーカーは、6cmフルレンジのスピーカーユニットの正面を缶の上面に取り付け、底面には4cmのパッシブラジエーターを取り付けて低音を増強、さらにスピーカー上面には頑丈なグリルを設置し、その中央にスチール球をのせることで、音を360°水平に拡散するという非常に凝ったつくりだった。

しかし、今回は初代『CAN SPEAK』の意志を引き継ぎ、ドラム缶内を音がリング状に伝わる性質を生かし、その音を底面でリバウンドさせてふたたびリング状にはね返ってきた音をスピーカーユニットのコーン(膜)を通して放出するという、リングリバウンド方式を取り入れた。

初代『CAN SPEAK』では、高域が減衰して音がこもる傾向があったのだが、今回はどうだったかというと、高域が減衰することでかえってバランスのとれた自然な音となって空間に広がるという、非常に良い結果がもたらされた。

これには正直、面食らってしまった。その素直で聴き疲れしない音は、これ以上何も付け足す必要がないと思わせるに十分な音である。

音がこもる原因は、リングリバウンド方式という構造によるものではなく、使用するスピーカーユニットの特性によるものだということが今回の試作でわかった。

初代『CAN SPEAK』で使っていたスピーカーユニットでは、十分な高域を背面から再生することができなかったのだが、今回のユニットの場合、スピーカーの向きが逆のほうがバランスのとれた音になるのだ。高域に特化したフルレンジであれば、リングリバウンド方式にうまく適合させることができる。これは新たな発見であり大きな収穫でもあった。『CAN SPEAK』との道のりは、まだまだ長くなりそうだ。

0 件のコメント: