2018年8月6日月曜日

キャンベル・スープ缶を使った『CAN SPEAK 』をつくった! -1

普遍的に美しいデザインというものがある。日常的によく目にするものであっても、違和感なく生活の1シーンに溶け込んでいるアイコンのような存在。

例えば、20世紀工業デザインの巨匠と呼ばれる、レイモンド・ローウィがデザインしたコカ・コーラのボトルがそうである。そしてアメリカの食品のなかでは、コカ・コーラに次ぐアイコンとして世界的に認知されているのが、キャンベル・スープ缶のデザインではないだろうか。

キャンベル・スープのデザインを担当したのは、実はアンディ・ウォーホルではない。ウォーホルは、版画のモティーフとしてキャンベル・スープを使っただけで、スープ缶のデザインそのものは別のデザイナーによるものだ。ちなみにそのデザインのアイデア(赤と白を基調としたデザイン)はキャンベルの重役の一人であったハーバートン・ウィリアムズによって1898年に打診されたとのことだが、実際のデザイナーの名前は不明である。

中央には、1900年のパリ万博で受賞したゴールドメダルが配されている。ベタと言えばベタなレイアウトだが、このメダルも含めたデザインのすべてが今では歴史的なアイコンになっている。

さて、このキャンベル・スープ缶を使ったスピーカーを今回はつくってみた。キャンベル・スープ缶のデザインには、日本向けのものとアメリカ直輸入ものの2種類がある。わたしが今回使用したのはアメリカ直輸入もののほうだ。缶のサイズは全国共通で、側面には上下に向かってリング状の突起が付いており、それを覆うように紙のラベルが貼られている。

缶を開けるには、イージーオープンエンドが採用されているため、上部のツマミを持って引っぱるだけ。ペロリときれいに真円の穴を開けられるので、スピーカー工作にはうってつけだ。

この穴にぴったりはまるスピーカーユニットを探したところ、ちょうど良さそうな6cmフルレンジを見つけた。フレームにネジ穴がなくステーもないが、今回の場合はかえって好都合である。

そして、底面にはパッシブラジエーターを取り付け、スピーカーの低音不足を補うアイデアを盛り込んだ。この取り付けのためには底面をきれいに丸くカットする必要があり、もっとも工作で苦心する箇所だろう。

最後に、缶の裏側にバナナ端子を取り付けた。缶はブリキ製なので、薄い鉄板でできている。つまり、板そのものが電導素材のため、バナナ端子をそのまま通すと極性が交わってしまい、きちんと音が出ない。

スピーカーコードが筐体からニョッキリ出ている空き缶スピーカーをたまに見かけるが、私はバナナ端子にこだわってある方法を使って絶縁することにした。

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