2018年8月6日月曜日

キャンベル・スープ缶を使った『CAN SPEAK 』をつくった! -2

バナナ端子の取り付けも無事に済んだので、いよいよ音出しである。スピーカーづくりでもっともワクワクする瞬間だ。音源は、もっとも聴き慣れたビートルズを選んだ。

最近は、もっぱら音楽を聴くのにamazonの『Echo Dot (エコードット) Alexa』を使っている。「アレクサ!」と呼びかけて音楽をリクエストするだけで、ありとあらゆる音源を聴くことができる。この『アレクサ』からBluetooth内臓のデジタルアンプに音を飛ばし、キャンベル・スピーカーにつないで音を出す仕組みだ。

前置きが長くなったが、肝心の音はどうかというと、これはかなり良い印象である。とにかく音がクリアで、パッシブラジエーターの効果で低音もこのサイズにしては出ているように思う。

ちなみにパッシブラジエーターとは、電気的な接続をしない振動コーンのことで、小型のBluetoothスピーカーなどに採用されているものだ。JBLのオリンパスで使われていたドロンコーンと同じである。

子供のころ、公園にある土管のなかで「ワッ」と声を出すと音がリング状に広がるのを経験したことのある方は多いだろう。
円筒形であれば音は同じように伝わるので、この原理を応用したのが「波動スピーカー」である。

波動スピーカーは、円筒状のエンクロージャーの両端にスピーカーユニットを取り付け、両方のスピーカーが発する空気振動を円筒のなかで衝突させ、空圧が高まる中央もしくはバッフルに開けたバスレフから低音を効率的に放射する方式である。

今回製作した『CAN SPEAK』は、構造はこの波動スピーカーと似ているが、(L) (R) 独立式なので、各々の音声信号はそのままにパッシブラジエーターで低音を増強する方式だ。

構造を楽器にたとえるなら、もっとも近いのがフロアタムかもしれない。ドラムは表裏に皮を張ることで振動を増幅させて大きな音を放つ。今回の『CAN SPEAK』もまさにドラムと同じ発想である。


さて、キャンベル・スピーカーに話を戻そう。スピーカーのセッティング方法としては、底面のパッシブラジエーターから出る低音を閉じ込めずに響かせるために、ゴム足などをかませて音の抜け道をつくってあげると良いようだ。

また、上面はスピーカーユニットがむき出しのため、スピーカーグリルがあったほうが良さそうである。そこで、このサイズに合う金属製のグリルをあるところに注文すると、イメージ通りのものが出来上がってきた。
試しにそれをスピーカーの上にのせてみると、ピッタリ収まって見栄えもいい感じだ。一見、灰皿のようにも見えるのだが、これはれっきとしたスピーカーである(笑)。

ちなみにキャンベル缶のラベルには、クリアラッカーでコーティングを施している。また、スピーカーユニットとパッシブラジエーターの接合部には、空気漏れが起こらないようにシリコンを充填している。こうした作業一つで、音がタイトになり低音の響きがグッと良くなるので、スピーカーづくりというのは本当に奥が深い。

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