"The Continuing Story Of Bungalow Bill"では、オープニングのガットギターの後半部で目立っていたホワイトノイズがきれいにカットされている。また、旧CDでは前曲のパーカッションの音が曲頭に残っていたが、曲間が2秒延ばされているため、今回はジャストの位置で始まっている。
"While My Guitar Gently Weeps"でも同様に、前曲の Eh,Up という掛け声がカットされ、ジャストの位置で始まっている。ご存知、エリック・クラプトンが参加しているこの曲は、個人個人が勝手にレコーディングしているため音数の薄い曲が多いこのアルバムのなかで、メンバーが全員で真剣に演奏に取り組んでいる数少ない曲のひとつ。
"Martha My Dear"では、イントロのピアノ演奏で目立っていたホワイトノイズが目立たなくなり、サビから入ってくるブラスの音圧が上がっている。"Rocky Racoon"のイントロのギターは、旧CDよりも音が丸くなっている。また、始まって1秒くらいの場所にテープの劣化らしきノイズが左チャンネルから聴こえるが、これは旧CDには入っていなかったものだ。
"Julia"では、1分11秒と、同じく2分22秒、2分29秒辺りに入っていたジョンのリップノイズが消されている。こうした処理は丁寧な仕事ではあるが、アーティストの息づかいも同時に消してしまうことになる。
"Sexy Sadie"では、1秒辺りに入っていたノイズが消されている。また、"Long, Long, Long"では、1分3秒に入っていたプツッというノイズが消されている。ところどころで入るドラムの音も音圧が増している。
"Revolution 1"には、もともと様々なノイズが入っているが、この曲にとってはノイズも曲の一部という解釈なのだろう、ノイズ除去は行われていない。ドゥーアップ的なコーラスが雰囲気を盛り上げている。
"Honey Pie"では、全体的に音圧が上がっていて、ディキシーランド風の管楽器もノリがよく聴こえる。晩年のジョージのソロアルバムでも度々取りあげられた曲調で、おそらくジョージはポール作であるこの曲が好きだったのではないだろうか。
つづく"Savoy Truffle"でも、音圧はかなり上がっていて特にブラスの音でそれは顕著だ。
"Cry Baby Cry"では、歌いだしのジョンのボーカルが持ち上げられている。曲の途中でボーカルの定位が左と中央に行ったり来たりするが、全体的にボーカルはオン気味である。
アルバムの最後を締めくくる"Good Night"は、旧CDよりも出だしのフェードインの音量が大きい。ジョンによるこの美しい曲は、ジョージ・マーティンによるオーケストラをバックに、リンゴがめずらしく甘い声で歌っている。オーケストラの演奏を聴くと、あらためて今回のリマスターで音がワイドレンジになっているのがわかる。
Disc1は、ほぼ一律で曲間のブランクが2秒足されており、曲の頭出しで前の曲がかぶることがなくなっている反面、"Back In The USSR"と"Dear Prudence"に入っているジェット機の音が途切れるという不自然さを生んでいる。一方、Disc2のほうは、旧CDとの曲間の差はほとんどない。
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