2014年7月7日月曜日

マーティンD-28(1983年製)リペア記 その6

 バック割れのリペアの続きです。ほぼ元の位置に固定できた破損箇所ですが、1カ所だけ欠けてしまったので、ローズウッドの木片を切って埋め込みました。

表面はタイトボンドがハミ出していたり、亀裂は残ったままですが、裏側の当て木も固まったので、きちんと密着しております。

今回の修理では、破損した部分を元に戻して、ひとまずギターを使える状態にしたいと思います。修理痕が目立たないように手を加えるかは、今後の経過次第ということで・・・。



従って、多少の見栄えの悪さには目をつぶり、どんどん先に進みます。

さすがに、上の写真のままでは可哀想なので、継ぎ足した木片にセラックを塗ってから、リペア箇所全体にクリアラッカーを塗り重ねました。まだ、痛々しさが残ってますが、木は動く様子もなく安定しております。
次に、運送事故で破損する前から、このギターに発生していたトップ下位置のクラックの修理に取りかかりました。クランプしている箇所の左右にある2本のクラックには、内側からスプルースの木片パッチで当て木しております。

この位置のクラックは、弦の張力で負荷がかかるので、しっかり定着させる必要があります。それにしても今回の作業では、この大型クランプが大活躍してくれております。

ギターが破損せずに届いていれば、この修理だけで済んでいたのに・・・という思いが頭をよぎります。


これで大きな整形は済みました。ギター内部から覗いて、修理箇所に隙間がないかを確認。必要な箇所には、内部からタイトボンドを塗って隙間を埋めていきます。

次に、クラック箇所の表面にラッカーを塗って、シーリングをほどこします。これをやっておかないと、水や汗を吸い込んでしまうので、必須の作業です。

クリアのラッカー塗料は、ニトロセルロースのものを使いました。スプレーは使わずに、筆で2〜3回塗り重ねてから、ギターを乾燥させました。

0 件のコメント: