2014年7月5日土曜日

マーティンD-28(1983年製)リペア記 その2

届いたギターのネックブロックには、D-28と刻印されています。シリアルナンバーから、やはり1983年製のマーティン D-28 に間違いありません。

ところで、この1983年には、150周年記念にバックとサイドにハカランダを用いた D-28 も存在しているようです。このギターはどうなんでしょう?

専門家でないと判断できませんが、もしハカランダなら大変なことです・・・。ワシントン条約で保護されている文化資産の破壊につながりかねません(ちょっと大げさ?)。


出品者さんに連絡してみると、発送時点では壊れていなかったという話です。運送会社に連絡をとるので、写真を送ってほしいということになりました。そこで撮った画像が右と下のもの。

トップが激しく割れております。
この位置は、演奏時に右腕が当たる部分なので、かなり深刻です。
 バックのサイド付近がめくれ上がっています。固い素材のローズウッドが、どうしたらこんな状態になってしまうのか?

その下のサイド部分にも2箇所、大きな亀裂が入っています。木目に沿って縦にそれぞれ15cm、25cmほどの割れが確認できます。
トップの反対側にもバインディングに沿って大きな割れがありました。

わたしも数々のギターを見てきましたが、これほど損傷の激しいギターははじめてです。このギターをつくった職人が見たらどんな気持ちになるのでしょうか・・・。

ちなみに、このギターが製造された1983年頃のマーティン社は、製造部門で大胆なリストラが行われており、結果としてベテランの職人たちがギターをつくっていたので、クォリティは高いようです。

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