2009年5月15日金曜日

Pattie Boyd "Wonderful Tonight"

仕事の帰りに、新宿の Tower Records に寄ったら、気になる本が2冊あったので、買ってきた。一冊が、George Harrison と Eric Clapton の元奥さんである Pattie Boyd の自伝。もう一冊が、TASCHEN から出ているポラロイドの写真集、Polaroyd Book。これを打っていて気がついたのだけど、両方とも頭文字が PB である!(まったくの偶然だけど、ブログを書いていると、こういう細かなことに気がついて面白い)

パティのことをはじめて知ったのは、自分が中学生のころで、当時は日本でもジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンとの三角関係を取りあげたゴシップ記事が雑誌に載っていたのを憶えている。

ビートルズ初の主演映画「A Hard Day's Night」にハイスクールガール役で出演したのが縁で、ジョージと結ばれたものの、わずか数年でジョージの親友、エリック・クラプトンと恋仲になり、ジョージとの別居生活を経て離婚。その後は、エリックと結ばれるという、実にスキャンダラスな人生を歩んだ。

最近、日本でも1960年代ファッションが注目されはじめて、ふたたびモデル時代のパティにスポットが当てられているが、最近のパティは不動産業を営む実業家と再々婚し、華やかな生活からはなれた家庭的な人生を送っているようだ。

二人のミュージシャンを翻弄した、魔性の女の代名詞のように語られることの多いパティだが、翻弄され続けたのはパティも同様だったようで、ふとしたきっかけからエンターティンメントの世界に飛び込んでしまったものの、元々は家族を愛する家庭的な性格の持ち主だったようだ。

いずれにせよ、存在そのものが周囲が放っておかない強いオーラを発していたのは事実のようで、きっと、天性の才能があったのだろう。

こんな女性が近くにいたら、あなたならどうしますか?

2009年5月12日火曜日

Humming Kitchen "Strange Tomatoes"

ハミングキッチン「ストレンジトマト」
daisyworld discs COCP-35383

ハミングキッチンの3rd.アルバムが4/29に発売された。細野晴臣さんのレーベル、daisyworld からのリリースで、コロンビアミュージックエンタティンメントが発売元となっている。

何を隠そう、2004年に彼等の1st.アルバムを monophonica records から発売してから、早いもので5年の歳月が経とうとしている。5年前の今頃といえば、6月の全国発売を前にしてWEBサイトの制作から、宣伝活動でラジオ局やCDショップなどを飛びまわっていたのを、ついこの間の出来事のように思い出す。

すべて初めての経験ながら、音源制作からCDプレスという行程を経て、無事に全国発売まで漕ぎ着けたものの、その"航海"は生易しいものではなかった。
WEBサイト運営、A&R、セールス・プロモーション、受発注管理といった業務に追われるばかりで、もっとも必要な宣伝活動が思うように運ばなかったのである。

その後、彼等は名前を「ハルモニア」から「ハミングキッチン」へと改名して、活動の場をどんどん広げていった。自分は音楽業界から一旦身を引いて、本業である広告業界にもどり、いくつかの大きなプロジェクトにも携わった。"航海"は別々の船に別れはしたが、それぞれの旅は今も続いているのだ。

GW真っただ中の先週、銀座山野楽器に立ち寄ってみると、彼等の新譜が置いてあったので一枚買ってきた。前半は、ハミングキッチンらしい曲で進んでいくが、後半は今までのイメージとかけ離れた楽曲が続いて意表をつかれた。ポップな曲でグイグイと引っ張っていくのかと思いきや、"しずけさ"すら感じさせる大人っぽい曲が後半を占めている。"ほのぼの"とした空気感から抜けだした、愁いのような気配がサウンドから伝わってくる。

雑誌やラジオ、WEBサイトで彼等の名前もよく目にするようになった。周囲からの期待も以前とは比較できないほど高まっていることだろう。ハミングキッチンの更なる飛躍に期待したい。

Gibson L-00 30'S Style(Rider by Headway RYG)

1930年代の Gibson L-00 モデルをイメージしたレプリカを製作した。元になっているのは、Rider by Headway RYG というギター。

1999年製の Gibson L-00 をかつて使っていたが、ブリッジの強度が弱く、一回リペアしてもらったものの、ふたたび同じ症状がでたので、手放してしまったという苦い経験がある。
ヴィンテージ・リイシューモデルで使われている太いスクリプトロゴと、Glover 製のゴツい金属ペグも雰囲気からすると今一歩だった。

L-00 なら、やはりクルーソンタイプのペグと、1930年代特有の細くて白いスクリプトロゴでなくては。ボディサイドの厚みも30年代のものは薄いのによく鳴るのに対し、1999年製は肉厚すぎて、どうもしっくりこなかった。

さて、話をこのギターに戻すと、音のほうは L-00 らしいワイルドさは感じられないものの、1〜3弦の高音部に透明感を感じさせる響きが印象的だ。ボディは非常に軽くて、オクターブも正確である。

2009年5月11日月曜日

Mark-Almond "To The Heart"

仕事の帰りに新宿を歩いていると、中古レコード屋さんの店頭で、アナログ盤が100円均一で売られていたので、試しに箱を物色してみた。

ブルーグラス、ロック、ポップス、ニューミュージックなど、ジャンルはバラバラだったが、昔持っていたレコードがいくつかあったので、懐かしい気分に浸りながらレコードをめくっていくと、何と!ここ十数年ものあいだ、ずっと探し続けていた掘り出し物が出てきた。
マーク=アーモンドの "To The Heart" である。

このアルバムとの出会いは、かれこれ30年前になろうか...。New York State of Mind から始まるメドレーで構成されたA面から、哀愁の漂うフルートと美しいヴァイオリンが比類のないアンサンブルを奏でる名曲、One More For The Road が収められたB面まで、トータルコンセプトで綴られたこの作品は、ジャズ、フォーク、ロック、クラシックといった様々なエッセンスが交錯する類い稀な名盤である。

擦り切れるほど聴いたこのレコードは、同級生に貸したまま行方不明となり、以来30年以上に渡ってCD化されることもなく、幻の名盤として脳裏に焼きついていた。そのアルバムが、まさか段ボールからひょっこり出て来るとは...。思わず「お〜っ」と唸ってしまった。

アナログレコードとプレーヤーを処分して以来、ヴィニール盤とは縁のない生活を送ってきたが、今年になって Victor QL-Y44F というターンテーブルを手に入れてから、ふたたびアナログを聴くようになった。ジャズや一部のロックを除けば、アナログ盤は超安値で手に入るのが嬉しい。未だにCD化されてない音源を、気長に探して歩くのも楽しいものだ。

幻のアルバムと出会った喜びで、一気に20枚も買い込んでしまった。右の写真は、1950年代の C&Wレーベル、Bear Family Records の10枚組ボックスセット。
これら全て合わせてもたったの 2,000円。手放す方の気持ちを考えると複雑ではあるが、アナログファンにとっては良い時代である。

2009年5月4日月曜日

MEET THE BEATLES! "ビートルズ!"

ビートルズの日本デビューアルバム「MEET THE BEATLES!(ビートルズ!)」がフリーマーケットで300円で売られているのを見つけて買ってきた。

このアルバムは、1964年に東芝EMIから発売された日本独自の編集アルバムで、 英国オリジナル盤の「PLEASE PLEASE ME」と「WITH THE BEATLES」からの抜粋曲と、英国ではシングル発売のみだった「抱きしめたい」「SHE LOVES YOU」「FROM ME TO YOU」の3曲が収録された、最初期のベストアルバムと呼べる内容だ。

自分がビートルズを聴きはじめた1973年当時、東芝EMIでは英国編集、米国編集、日本編集と曲構成が異なるシリーズでアルバムが発売されており、どのアルバムからそろえていったら良いのか、悩まされたのを憶えている。

日本編集の「MEET THE BEATLES!」は、モノラルで発売されており、疑似ステレオだった当時のアルバムとは一線を画すものだった。
今回入手したのは、オリジナルの Odeon盤ではなくApple盤だが、音質はCDよりも遥かにクリアで、その瑞々しい音を聴いていると、1973年当時の記憶が鮮明に甦ってくる。

A面
1.
抱きしめたい(I WANT TO HOLD YOUR HAND
2.
シー・ラブズ・ユー( SHE LOVES YOU
3.
フローム・ミー・トゥ・ユー( FROM ME TO YOU
4.
ツイスト・アンド・シャウト(TWIST AND SHOUT
5.
ラブ・ミー・ドゥー(LOVE ME DO
6.
ベイビィ・イッツ・ユー(BABY IT'S YOU
7.
ドント・バザー・ミー(DON'T BOTHER ME
B面
1.
プリーズ・プリーズ・ミー(PLEASE PLEASE ME
2.
アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア(I SAW HER STANDING THERE
3. P.S.
アイ・ラブ・ユー(P.S.I LOVE YOU
4.
リトル・チャイルド(LITTLE CHILD
5.
オール・マイ・ラビング(ALL MY LOVING
6.
ホールド・ミー・タイト(HOLD ME TIGHT
7.
プリーズ・ミスター・ポストマン(PLEASE MR. POSTMAN


特筆すべきは「プリーズ・プリーズ・ミー」の別テイクが収められている点で、本テイクとしてCDに収録されている、サビでジョンが笑いを飲み込んで唱っているヴァージョンではなく、シングル盤のテイクが収められているところ。このテイクはアナログ時代のベスト盤(通称、赤盤)にステレオヴァージョンが収録されていたが、現在CDでは聴くことができない。


ヒット曲がいきなり5曲続くA面は、特に聴きごたえ十分で、初期のアルバムの中では一番好きな選曲だ。

1973年当時、日本のビートルズ・コピーバンド、THE BAD BOYS のデビューアルバムが東芝EMIからリリースされていたが、曲構成、ジャケット共にこのアルバムと全く同じ内容だった。ビートルズ解散から数年を経て、日本で誕生したバッドボーイズは、ビートルズ・トリビュート・バンドの先駆け的存在である。

右の写真は、今から20年前にCDで復刻されたときのもの。

2009年5月2日土曜日

Gibson L-47(1941年製)

Gibson の1941年製 アーチトップモデル L-47。1941年といえば、戦火のまっただ中で、真珠湾に日本海軍が奇襲攻撃を行った年でもある。(ヴィンテージ・ギターの世界では、この時代のギターのことを、Pre -War, Post-War と呼んで区別している)。

当時は流行音楽として、ジャズが市民権を得ている時代で、ヒットチャートには、ビリー・ホリディ、グレン・ミラー、ベニー・グッドマンなどの面々が並んでいる頃。

Gibson のギターもこうした時代を反映していたようで、L-47 はジャズのバッキングに最適なバランスでブロックコードが鳴るようにつくられている。

ギブソンのアーチトップといえば、16インチの L-4、17インチ のL-5、L-7などが有名だが、L-30、L-37 から受け継がれたこのギターは、14.75インチと、ひとまわり小振りの設計である。そのためレスポンスの良い、パーカッシヴな響きをもっているのが最大の特徴。

このギターには、米ケンブリッジのカスタムショップによって、Fishman のピエゾPUがインストールされており、エンドピンがそのままジャックになっている。
送られてきたギターをチェックしてみると、大きな改造の跡もなく、PU付きのブリッジ以外は、オリジナルの状態を保っているようだ。

ギターには新品の弦が張られていたが、指板には長年弾かれてついた手垢がびっしりついていた。5フレットから9フレットあたりに集中してついていた手垢が、ブロックコードがたくさん弾かれてきたことを物語っている。当時、ダンスホールのビッグバンドで使われていたであろうこのギターの来歴を想像するのも面白い。

ギターの長年の“憑かれ”をとるために、弦をすべて取り外してクリーニングすることにした。オレンジオイルで指板をはじめギター全体を磨きあげていくと、全体にヴィンテージらしい艶がでてくる。固まっていた手垢も、きれいに拭い取ることができた。

チューニングし直して音を出してみると、最初にサウンドチェックした時とはあきらかに違う音になった。乾燥したアメリカの空気から、湿気の多い日本へと渡ってきたギターには、ただでさえ目に見えない負荷がかかっているはず。
オレンジオイルをギター全体に滲みわたらせることで、木が次第に日本の湿度に慣れてきたのか、乾ききった音に潤いのような響きが加味され、徐々に濁りがとれた透明感のある音になっていく。

Fishman のPUをチェックするために、プラグをつないで Roland の JC-20 から音を出してみると、反応の良い生音とコーラス・サウンドがミックスされて、自然なディレイがかかって聴こえる。これなら、小編成のライブで使っても面白そうだ。

L-47 は、不思議な味をもったギターだ。サウンド的には、L-4 と L-48 のちょうど中間の音とでもいおうか。反応の良さでは L-4 に通じる切れ味を持ち、木の材質にもよるだろうが、L-48 よりも明るいトーンである。ピックよりもフィンガーピッキングで良い味がでそうなギターだ。

2009年4月29日水曜日

YAMAHA Dynamic Guitar No.10

YAMAHAのDynamic Guitar No.10(Open G)

YAMAHAのDynamic Guitarは、1960年代の鉄弦ギターである。スロッテッドヘッドのこのギターは、一見するとガットギターのように見えるが、ギター内部のブレイシング(力木の配置)が通常のガットギターとは異なり、張力の強いスチール弦に耐えられるように設計されている。ネックは12フレットでジョイントされており、使用木材やブレイシングも相まって、名前どおりのダイナミックなサウンドが魅力である。

このNo.10は、都内の楽器屋で950円で売られていた。見せてもらうと、ブリッジが剥がれかかっており、このままでは使えない状態なのでその値段なのだという。
「試奏されますか?」と聞かれたので「この値段なら、買います」と答えて、このNo.10を救出してきた。

持って帰ってギターを点検してみると、ペグはきれいに清掃され、弦も新品に交換されている。サドルは真鍮のものが使われており、これを削るのは骨が折れそうだ。まずは、ブリッジを一旦取り外して再接着を試みることにした。

ブリッジの中心にある丸いドットを取り外すと、マイナスネジが現れるので、CRCを吹いてからネジを緩めていく。
ネジは結構深いものが使われており、最後まで緩めきると、ボディ内部からカチッという音が聞こえた。内側にワッシャーが2枚仕込まれていたのだ。

ブリッジは張力でへの字型に変形しており、隙き間にはニカワの接着剤が見える。ドライヤーで接着剤を温めてから、金属のヘラをブリッジとボディの間に差し込み、ゆっくり剥がしていく。ブリッジは、意外と簡単に取り外すことができた。

次に、への字に変形したブリッジが水平になるよう、万力で固定してドライヤーで熱を加えながら数時間放置させる。だいぶ水平に戻ったところでブリッジに万遍なく木工用ボンドを塗って、ボディと貼り合わせる。この際、取り外したネジを再度取り付けてブリッジを固定させる。次にブリッジの外周全体をボンドでシールドする。(ボンドは乾くと半透明になるので、目立たなくなる。今回は木工用を利用したが、プロ用のタイトボンドがお薦め)

ボンドが半乾きの状態で弦を張ってみると、ネジの力と反対方向の力が加わるので、ブリッジ全体が均等の力で押されて、ボディとより密着することがわかった。
この状態で、3日間ほど放置。
ブリッジの変形はほぼ無くなり、ぴったり接着することができた。

次に、順反りのもうひとつの要因となっている「ネック起き」を補修するため、ギターをうつ伏せに寝かせて、ボディの上に20kgほどの重りを載せる。オーディオ用の真空管アンプを利用した。この状態で、ネックの付け根まわりにボンドを厚めに塗ってシールドする。
このまま、5日間ほど放置。

これで弦高はだいぶ低くなったが、まだ充分とはいえないので、ブリッジのサドル受け部分をダイヤモンドやすりで削っていく。
弦がブリッジに接触しないギリギリの高さまで削り、この状態でノーマルチューニングに合わせてみた。弦高は12フレットで6弦側が4.5mm程度。普通のギターとしてはまだ弾きづらいので、スライドギター専用にすることに決めた。オープンGなら、弦を弛めることができ張力も低減できて一石二鳥である。

仕上げは、ペグを取り外して左右交換。ヘッド表面にチューナーがくるようにすることで、寝かせて弾くことの多いスライドギター向けのセッティングに仕様変更した。
ボディ全体に入ったウェザーチェック模様も含め、ブルージーな雰囲気のスライド用ギターが完成した。

Dynamic Guitar No.10A の生音はコチラから聴けます。