2009年3月23日月曜日

Robert Johnson L-1(1935) by Valley Arts Guitar

これは、ロバート・ジョンソンの愛機として知られる、Gibson L-1 1935 モデルを忠実に再現したギターで、カスタムショップとして知られる、アメリカの Valley Arts Guitar社が、1995年に100本限定で生産したうちの1本である。(Valley Arts Guitar は、現在 Gibson 傘下のカスタムショップとなっている)
Robert Johnson 1935 L-1('95 Valley Arts Guitar)

ロバート・ジョンソンが実際に使っていたL-1といえば、2006年に Moments in Time というネット販売会社が、$6 Million Dollars(当時のレートで約7億円)で販売したことで話題を集めた。
(ただし、このギターの真贋に付いては不明で、一説では著名ミュージシャンが買ったという噂もある)
写真のギターは、いわゆるシグネチュア・モデルで、故ロバート・ジョンソンの代理人と、ビルダーのサインが入った証明書が付いている。とはいうものの、Gibson の正規モデルと異なり、Valley Arts Guitar は受注生産のため資料は皆無に近い。
その上、前オーナーによってヘッドは Gibson スクリプトロゴに変更され、ピエゾ型のピックアップが内部マウントされているという、曰く付きのギターなのである。
ギターのつくりは、戦前のL-1を忠実に再現しているためか、ボディ内部は粗さを感じさせるシンプルな構成で、板も塗装も非常に薄くつくられている。そのため、スモールボディとは思えない激しい鳴りが魅力だ。ネックは12フレットジョイントなので、1950年代から日本で造られた鉄弦ギターに近い弾き心地である。塗装は非常に薄く施されているようで、すでにウェザークラックが全体に入っている。

入手した時は、L-1らしからぬゴールドのペグがついていたので、クルーソンタイプの白いペグ(ゴトー製)と交換した。これで、かなり雰囲気が戦前のL-1らしくなったと思う。

ライブで早速使ってみたのだが、翌日、楽器を整備していると、ボディのサイド下部に3cm強の凹みを発見!。強い衝撃を与えた記憶は無いのだが.....。少々酔っていたのでどこかに当ててしまったようだ。

普段は丈夫な YAMAHA ダイナミックギターを使っている自分としては、その脆さに少々唖然としたが、木も塗装も薄く加工されているこのギターの扱いには注意が必要なようだ。
凹みは、内部からクラック部分を表面に押し戻してから、ボンドで丁寧にシールドし、表面は木工用パテで目立たないように補修した。

楽器に限らず「道具」というものは、手を加えてあげるほど愛着を感じるもの。このギターも、これからメインで使っていくことになりそうだ。

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