2018年7月1日日曜日

National ナショナル ポータブルフォノグラフ SG-503N 修理記 -2

SG-503Nの背面側のモーターと電源コイルの様子がこの写真。モーター部にはこちらも2箇所OILの刻印と穴があり、潤滑油を注入できるようになっている。

この部分にもCRC5-46を吹いてからダイソーの万能オイルを射してみた。

先のブログ記事によれば、オイルを射すだけではモーターは動かず、古いオイルを溶かすためにヒートガンを使ったと書かれている。我が家にヒートガンはないが、これはヘアードライヤーで代用できそうだ。


さて、モーターを指でアシストしたら動いた話の続きを書くと、そのまま回転レバーを0にした状態で1時間ほど置いておくと摩擦熱で固着していたオイルが溶けたのか、どうやら走行系は問題なく治ったようだ。

試しに45回転のシングルレコードを聴いてみると、ピッチが遅いのが分かった。速度調整レバーで一番早い状態にしても、若干回転が遅く、これはこの個体が60ヘルツ版であることが原因のようだ。西日本なら問題なく作動することだろう。

ちなみに33回転のLPで試してみると、やはりピッチが遅いのが分かった。また、レコードに反りがあるとアームとレコードが干渉してしまい、ピッチが安定しなくなる。このレコードプレイヤーでLPを聴くときはスタビライザーが必須のようだ。

今回の修理を通じて、あらためて周波数の違いについて考えさせられた。明治時代に電気が敷かれる際、東京には「ドイツ製」、大阪には「アメリカ製」の発電機が使われたことが発端で、未だに異なる周波数のまま再整備されずに現代にいたっているのだ。

※西日本で50ヘルツ版のSG-503N(可動品)を持っていてお困りの方がいたら、交換に応じるのでご一報ください。

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