2009年11月22日日曜日

キャデラック・レコード - Cadillac Record

1950年代に黒人音楽を一躍ポピュラーにした、シカゴのチェス・レコードを舞台にした映画「キャデラック・レコード」を観てきた。
マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、チャック・ベリー、エタ・ジェイムズといったスターを次々と生み出したチェス・レコードは、ポーランド移民のチェス兄弟によって設立されたが、元々はシカゴのライブハウス「マコンバ・クラブ」が母体となっている。
南部から移住してきた黒人ミュージシャンに光を当て、1950年代半ばには、チャック・ベリーやボ・ディドリーらのヒットを連発して全盛期を迎える。

やがてレーベルは下火となり、1969年には経営権をGRTに譲ってしまうが、設立者のレナード・チェスは同年この世を去っている。流行曲と同じように時代を駆け抜けたチェス・レコードの十数年間を描いたのが、この映画「キャデラック・レコード」である。
映画では、何故か兄のレナード・チェスしか登場せず、多少の脚色が加えられているが、これはおそらく、マディ・ウォーターズやエタ・ジェイムズといったミュージシャンと、レナードとの深い交友関係を描きたかったのと、レナードの死がチェス・レコード(映画)の終幕として相応しかったからだろう。

レナード・チェス役には、「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディ、マディ・ウォーターズ役は「バスキア」のジェフリー・ライト、エタ・ジェイムズ役は、歌手のビヨンセ・ノウルズ、チャック・ベリー役には、ラッパー兼俳優のモス・デフ等々、なかなか豪華なキャスト陣だが、チェス・レコードをベーシスト、作曲家、プロデューサーとして支えたウィリー・ディクソン役のセドリック・ジ・エンターテイナーが、脇役だがなかなか良い味を出している。

チェス兄弟を描いた映画では、同じ2008年に公開されたジェリー・ザクス監督の「Who Do You Love」があるが、こちらは日本未公開なので、いつかDVDで観てみたいと思う。

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