今年のはじめに公開された「ザ・ムーン」のほうが、元宇宙飛行士やNASA技術者のインタビューなどを取り入れている分、まだ臨場感があったと思う。
今回の「宇宙へ」は、アメリカの宇宙開発の歴史をで当時のニュース映像を用いながらダイジェスト紹介していくという、これまでに何度も繰り返されてきた手法で構成されており、ナレーションの内容も、特に踏み込んだものではなく、まるでNASAの記録映画を観ているようだった。
マーキュリー計画から、ジェミニ計画、アポロ計画と変遷してきた宇宙開発の歴史を詳しく体系的に紹介しているわけでもなく、過去に製作されたドキュメンタリー映画「グレーテスト・アドベンチャー」のほうが親切でわかりやすい。
NASAの悲劇、スペースシャトルの事故の様子が描かれているのは、この映画の見所だが、事故がなぜ起ったのかという、核心についてはまったく触れられていない。
宇宙もの映画といえば、「ライトスタッフ」「アポロ13号」「フロム・ジ・アース・トゥ・ザ・ムーン」などが知られているが、これらのノンフィクション映画のほうが、舞台裏について細かく描かれていて、かえってリアリティがある。
アポロ11号の月面着陸を、真っ正面から取りあげた映画がまだないのが不思議だ。アポロ計画に携わった元宇宙飛行士たちが元気なうちに、彼等の見た宇宙、そして月をリアルに再現したノンフィクション映画を見てみたいのだが、夢で終わってしまうのだろうか。
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