キースによれば、Gibson の Hummingbird を使って、ナッシュビルチューニングで弾いているそうだが、特殊な弦の張り方をしなければならず、なかなかあの音を出すのは難しい。
キース本人でさえ、ライブではイントロを省略して弾いており、Shine a Light のオープニングでもそれは同じだった。
ところが、先日入手したFホールのアーチトップギターを使うと、何故かノーマルチューニングであの音が出るのである。
キーはノーマルチューニングで、A#~Bなのだが、このギターで弾くと、まるで変則チューニングのような音が出るのがおもしろい。
ところで、この HAIDA Guitar という謎のアーチトップギター、調べてみたところ、1928年から戦後にかけて日本で活動していた日系2世のハワイアンミュージシャン、灰田晴彦の名前を冠したギターのようである。いわゆる、鉄線ギターのFホール版とも考えられるが、ハワイアンミュージックの伴奏用ギターとして作られたものかもしれない。
チューニングが安定せず、巻き上げもきつかったのでペグを新しく交換したのだが、その際にヘッドも戦前の Gibson 風に改造した。トップにびっしり入ったウェザーチェックと合わせ、雰囲気だけは貫禄充分?である。
ヴィンテージの Gibson ではおなじみのウェザーチェックだが、これはニトロセルロースラッカーという樹脂を使ったフィニッシュ特有のものである。
普及品のギターには、ポリウレタン塗装がされていることが多く、こちらは天候への耐久性が強く皮膜も厚いためチェッキングがはいることはない。つまりフィニッシュ(保護膜)に関しては、高級なギターほど経年変化が起りやすいのである。
最新の技術を取り入れてきた他の工業製品と違い、ひび割れという欠陥が起ろうともフィニッシュを変えなかった Gibson の頑固さが伝わってくる話だ。
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