2018年9月9日日曜日

SPAMの缶を使ったスピーカー『CAN SPEAK』をつくった!

スパムの缶は好きなデザインである。濃いブルーに黄色のSPAMの文字が鮮やかで、スパムバーガーの写真もおいしそうだ。この他、スパムむすびの写真をプリントしたものもあるが、それらのデザインに共通するのは、食欲をそそるシズルの訴求に徹している点だ。

このスパム缶を使ったスピーカーをつくってみたいと少し前から思っていた。形状的には、長方形のスピーカーユニットが合いそうだ。そこで F0080900 というスピーカーユニットを上からはめてみると、なんとか収まりそうである。

問題はスピーカーユニットのフランジと缶の開口部分にできる隙間をどうやって埋めるかだ。シリコンで埋めるには隙間が大きすぎる。そこで柔軟なゴム素材を間にはさむことを思いついた。

缶の切り口にコニシのG17を塗り、丸いゴムを円環上に這わせるとうまく接着できた。ちなみにG17は乾燥しても固くならないゴムと親和性の高いボンドである。

 F0080900 は4Ωに10Wと高耐入力なので、ハイパワー駆動が可能なのだが、ゴム素材をはさんでしまうと肝心のエッジの振動を吸収してしまう恐れもある。実際の音はどうなのだろうか?

今回はスピーカーユニットを埋め込む方式にしたので、ハンダでケーブル配線してからバナナ端子を取り付けた。缶は電気を通す材質のため、接合部は絶縁する必要がある。きちんと絶縁しないと(L)−と(R)+が交じりあって音が出ないのだ。

配線を終えて音を出してみると、やや低音がたりない印象はあるが、なかなか素直で澄んだ音である。ゴム素材とフランジの間にあるわずかな隙間と、フランジのネジ穴から空気が漏れているため、ここにはシリコンを充填して密閉することにした。さて、音はどう変わるだろうか? 

右の写真はシリコンでネジ穴を埋めた状態だ。このために、黒いシリコンシーラントを調達してきた。露出する部分なので色合わせは重要だ。

音を出してみると、あきらかに低音の響きが増しているのがわかった。缶全体に音が響いてブンブン振動している。弦楽四重奏では、しなやかに澄んだ音が心地良く響く。このしなやかさは、缶とフランジの間にはさんだゴム素材の影響かもしれない。

フランジとバッフルの間に、共振や空気漏れ防止の目的でゴムやウレタンをはさむのは昔から行われてきた方法である。今回は、空気漏れ防止のためにゴムとシリコンを使ったが、結果は良い方向へ転んだようだ。

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