2011年4月3日日曜日

Gibson L-50 リペア

昨年の夏に入手した1950年代の Gibson L-50 をリペアすることにした。
一番の問題は、前オーナーによって交換されたクルーソンタイプのペグがきちんと装着されておらず、チューニングが安定しなかったところ。この時代のL-50に付いていたオリジナルペグは、レスポールと同型の四角いつまみと、丸形のつまみの2種類が混在していたので、ペグは交換せずそのまま使うことに。リペア前は、もとのビス穴に無理に装着したため、片方のビスが最後まで閉まらず、ロトマチック部分が浮き上がっている状態だった。
まずは、弦をすべて外してからトップにダメージを与えないようテールピースにマスキングテープを貼る。この状態で、ボディ、ネック、ヘッドすべてをクリーニング。

指板は乾燥しているので、オレンジオイルをたっぷり塗り込む。

次に、ペグをすべて取り外す作業。驚いたのは、ヘッドに埋め込んであるはずのブッシュがすべて床に転がり落ちたこと。前オーナーがペグ穴を広げすぎたためだ。
当然ペグはグラグラの状態で、これでは安定するはずがない。

パーツを紛失しないよう、皿の上にのせてから、ペグ穴の補修にとりかかる。爪楊枝の先にタイトボンドを付けて一本づつペグ穴に差していく。すべて差し終わった後、一晩この状態でボンドが固まるのを待つ。

翌朝、固まった爪楊枝をカッターで切断。普通ならここでペグの取り付けに入るのだが、今回はブッシュがきちんとはまるように、削りすぎたペグ穴を埋めなければならない。考えたあげく、タイトボンドを円上に塗り重ねていくことにした。

この状態で一晩置いてから、次の日にペグの取り付けを行った。ペグ穴は補強されていたが、さすがにタイトボンドは強力で、ブッシュの埋め込みに少し手こずった。埋め込みには穴あけ用の金属ポンチとハンマーを使用した。(強く叩きすぎるとヘッドが割れるので要注意)

さて、いよいよペグの取り付け。ビスが傾かないようにゆっくりとドライバーで締めていく。片方が1/3くらい締まったら、もう片方のビスを同じように締め、交互にすこしづつ締めていく。これで、がたつきなく6個すべてのペグを装着することができた。

リペアが終了したL-50(写真下)。


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