空き缶を使ったオリジナルのスピーカー『CAN SPEAK』の第3弾を製作した。仕様は、はじめて作った『CAN SPEAK』とまったく同じで、缶のデザインのみが異なっている。
スピーカーユニットを逆向きに取り付けているのが特徴で、詳しくはこちらのページに書かれているので、興味のある方は読んでほしい。ドラム缶の中をリング状に音波が伝わり、底面で跳ね返った音をスピーカーユニットのコーン紙を通して前後左右に拡散する、リングリバウンド方式を採用している。
『CAN SPEAK』でさまざまな音源を聴いていくうちに、このスピーカーが得意とするのはホールで生音をオフマイク収録したクラシックなどの音源であることが分かった。
オーケストラは、本来はホールでなるべく楽団から遠い3階席などから聴くのがもっとも良い条件とされている。一つひとつの楽器は当然のことながら周波数や残響特性が異なるため、なるべく離れた位置で聴くほうが全体のオーケストレーションを目と耳で細かく把握できるからだ。
このため、クラシック音楽の録音は、レコーディングエンジニアがマイクで集音した音を左右のスピーカーに振り分けたり、奥行き感を調整したりといった細かな技術を駆使して完成させた音ではなく、指揮者の頭上のより高い位置に配置されたマイクで全体の音を集音するのが基本となっている。
『CAN SPEAK』は、ドラム内で密閉された空気をスピーカーユニットのコーンを通して前後左右の開口部から排出する構造で、音が全方向に広がるアンビエント型のスピーカーである。
5cmのフルレンジユニットの自然な響きを空間に拡散し、楽器の音色が持つ本来のふるまいと同様に各音が空間に広がっていく音場体験は、このスピーカーならではのものだ。
アンビエント型スピーカーは、その場にふさわしい自然な響きを空間にもたらしてくれる。リスニングポイントは自由で、従来の逆三角形型の配置にこだわる必要はなく、セッティングも自由だ。CAN SPEAKとは言葉が伝わるという意味だが、音を空間に広く伝えるのが『CAN SPEAK』の最大の特徴である。
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