この音がリバウンドした際に、ドラム缶独自の反射(共振)が発生し、それがゲートエコーのような効果をもたらし、ラッパから放射される蓄音機のような独特の音場をつくりだすのだが、この方法ではどうしても高域が減衰してしまい、音がこもりがちになってしまう傾向が拭えなかった。
そこで極力、音の反射をふせぐためにドーム型のエンクロージャーを考えているうちに、頭の中でひらめいたのがワイングラス型のガラスドームだった。
しかし、スピーカーユニットにぴったり合うガラス素材がそう簡単に見つかるはずもなく、計画はしばらく頓挫していたのだった。今回、運良くぴったりなガラス器(個人制作)が手に入ったので、念願のガラスドーム式スピーカーを試すことができた。
しかし、スピーカーユニットにぴったり合うガラス素材がそう簡単に見つかるはずもなく、計画はしばらく頓挫していたのだった。今回、運良くぴったりなガラス器(個人制作)が手に入ったので、念願のガラスドーム式スピーカーを試すことができた。
スピーカーユニットには、東京コーン紙製作所の F77G 98-6 を使用することに決めた。エッジの外枠がゴム製のため、ガラスの開口部と密着させる際の伸縮が容易だからである。バッフル面も持たないため乱反射のないピュアなサウンドの再生が可能となるはずだ。
密閉式の場合、定在波を極限まで抑えるためには、スピーカーユニットとガラスドームが一体化した球体のような構造が理想的である。また、今回のスピーカーは空洞に配線やユニット背面のフレーム、マグネットといった物質が存在しないため、より純度の高い音の再生が期待できる。
密閉式の場合、定在波を極限まで抑えるためには、スピーカーユニットとガラスドームが一体化した球体のような構造が理想的である。また、今回のスピーカーは空洞に配線やユニット背面のフレーム、マグネットといった物質が存在しないため、より純度の高い音の再生が期待できる。
音を聴いてみての感想だが、スピーカーユニット正面から放射される音が全方位にわたって乱反射することなく180°まわってコーン(膜)に戻ってくるためか、にごりのないピュアな音という印象だ。
高域はセンターキャップから発せられるため、正面で聴いた場合と比較すると明瞭度が落ちてしまうのは仕方ないが、それでも乱反射のない純度の高い音が還流することの効果ははかりしれないものがある。
高域はセンターキャップから発せられるため、正面で聴いた場合と比較すると明瞭度が落ちてしまうのは仕方ないが、それでも乱反射のない純度の高い音が還流することの効果ははかりしれないものがある。
シンプルの極みのような構造とデザインではあるが、これは立派なスピーカーである。試しに水を半分ほど注いだ状態で音を聴いてみると、中域が前に出てみずみずしい音に変化した。
水の量を増やしていくと低域が減衰していくのが分かった。エンクロージャーの空気量を水で容易に変化させることができ、音の変化を自由に楽しむこともできる。このまま『大人の科学』の付録になりそうなスピーカー、名付けて『GLASS DOME』がここに誕生した。
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