1980年代に、大阪のラッキーコーポレーションという会社が製造販売していた、ミッキーマウスのカセットテープケースを骨董商のオークションで入手した。
いつ、どこでどのような経緯で売られていたものなのかは不明だが、ウォルト・ディズニー・カンパニー社のライセンスを取得して作られたオフィシャルグッズのようである。
素材はブリキでできており、サイズは縦:24cm 横:26cm 奥行:8cm。半円形の取っ手とミッキーマウスの絵がなんとも可愛らしい。
オフィシャルグッズとはいえ、使用感もあるし掘り出し物ではなかったのだが、この機会を逃すと二度と手に入らないかもしれない・・・そんな思いで入札してみたら、運良く?そのまま落札することができた。
さて、このケースを何に使うかだが、デザインを一目見て頭の中でひらめいたのがミッキーの耳にスピーカーを埋め込んだ、アンプ内蔵スピーカーを作ることだった。まずは、耳の部分にぴったりなスピーカーユニットを探さなくてはならない。できればセンターキャップのないタイプで5cmφ以内のものが理想だ。
検討した挙げ句、購入したのは通販で売っていたフルレンジスピーカーユニット2インチ(50mm) 。「小口径なのに圧倒的迫力!高品質&高耐久フルレンジスピーカー」と謳われている製品で、マグネットには ACP W225R 8Ω 3W 130513A と印刷されている。
難点は、ファイバーコーン+樹脂コーティングの素材でできたコーン表面がシルバー仕上げされている点。ミッキーの耳に埋め込むので、ここは黒でなくてはならない。そこで、家にあったつや消し黒のスプレーで表面を塗装することにした。
次は、ミッキーの耳にピッタリの穴を開ける作業である。ここを失敗すると、元も子もないので慎重に作業をしなくてはならない。ブリキは薄い素材を使っているため、削る作業自体はそれほど大変ではないが、あせって作業をするとプリント面に傷を付けてしまうこともあるからだ。
注意点としては、一気に片側から削るのではなく半分ほど削れたら反対側にも切り口を開けて少しずつ両面から削っていくこと。これは、他の素材を削るときも、きれいに仕上げるための必須テクニックだ。
次に、スピーカーユニットをバッフルに固定する工程だ。このスピーカーユニットは、取り付け金具がコーンより奥に付いていて扱いづらい構造となっている。しかも、ミッキーの耳に8つのビス穴を開けなくてはならない。これでは見た目も良くないので、他の方法で固定するしかない。
加工の手間を省き、バッフルとユニットのすき間を埋めるためにとった方法は、シリコンシーラントによるコーキングだ。
ケース内には『サウンドトランク』用の小型アンプと12Vのバッテリーを搭載し、iPodをつないで音を出してみると、かなりの音量で切れの良い音が飛び出してきた。
「小口径なのに圧倒的迫力!高品質&高耐久フルレンジスピーカー」の宣伝文句も肯ける、必要十分な音量とメリハリのある音質を楽しむことができるスピーカーが完成した。
ミッキーマウスの『サウンドトランク』 が完成した週末は、休暇をとって静岡県の保養所に宿泊したのだが、プールサイドで夕陽を浴びながら聴いたイーグルスの「ホテル・カリフォリニア」は格別だった。
10W×2を出力するデジタルパワーアンプは、8Ω 3Wの5cmフルレンジを余裕でドライブしてくれる。この音量があれば、海水浴に持っていっても十分に使えそうである。空いているスペースにサンドイッチとジュースを入れて、ランチバッグとして使うのも良いかもしれない。
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