下北沢に2018年2月に移転した『新宿レコード』へ行ってきた。駅前の本多劇場(Village Vanguard)の2階という、非常に分かりやすい場所だ。
わたしが通っていた1978年〜1980年頃から見かけていた新宿レコードの看板がレジの下に置いてあった。この看板からも、当時はユーロロックにもっとも力を入れていたのがわかるのではないだろうか。
店主の佐藤晃彦さんは、元々ワーナーミュージックなどのレコード会社でディレクターを担当しており、新宿レコードには開店当初からの常連で、資料としてレコードをたくさん買われていたという、元々は大のお得意さんだった方。先代の藤原さん夫妻から、開店50周年を目前に後を託されたのだそうだ。
お店のメインは、ブリティッシュ・ロックの帯付き貴重盤。一度も針を通してないようなデッドストックが目を引いた。個人的には大好きなジョージ・ハリスンの貴重なレコードにお目にかかれたのがうれしかった。7月には、日本一のエリック・クラプトンのコレクターだった方の貴重な遺産を展示販売するそうなので、ECファンも注目だ。
わたしは、記念に『レット・イット・ビー』のシングル盤を買わせていただいた。新宿レコードの赤い袋が、往年の雰囲気を思い出させてくれ、懐かしい気分に浸ることができた。
さて、新宿レコードといえば、ユーロロックである。茶沢通りにオープンした『ディスク・ユニオン』も覗いて、ユーロロックの名盤を1枚買って帰ろう! そう思ったわたしは、さっそく茶沢通りへと足を向けた。通りを歩いていくと、すぐに“disk union”の赤いネオンが目に入った。
入口の前で写真を撮ったのだが、なんとなくアメリカのウエストコーストや、ハワイの通りを感じさせる風情である。
店内のメインは、やはりアナログ盤。お店へ足を運んで買うのだから、デジタル音源ではなくアナログのレコード盤のほうを買いたい・・・音楽ファンがそう考えるのも無理はない気がした。
さて、わたしは自然とユーロロックの売り場へ吸い寄せられ、ジャーマン、イタリア、フランスと順に見ていくのだが、今いち目ぼしいものがない。
最後に、ヨーロッパ全域の箱を見ていくと、何と・・・長年探し求めていた、ポーランドのチェスワフ・ニーメン(Czesław Niemen)のアルバムが出てくるではないか!
ニーメンといえば、冷戦真っ只中の時代に共産圏のポーランドで活動していた音楽家で、”自国の政治情勢に翻弄された悲運のミュージシャン”と、雑誌『FOOL'S MATE』(フールズ・メイト)などで紹介されていた人物。
わたしの興味をそそったのは、すべての楽曲をニーメンが作詞作曲し、自らが演奏するシンセサイザーの多重録音のみでレコーディングされている点。“哀愁のメロディー”という紹介記事も気になっていた。
この日は、ニーメン以外にも右の写真のレコードと山下洋輔氏の本を一冊買って帰った。全部で1,772円という安さ(右の7枚はすべて1枚100円)である。
本当に好きなアルバムはCDで所有していれば満足なので、今まで通りすぎてきたアーティストの聴いたことのないアルバムや、かつて持っていた懐かしいレコード、あるいは単に衝動的なジャケ買いなどの理由でレコードは買っている。
元々、オリジナル盤や貴重盤へのこだわりは無いので、偶然見つけたレコードとの出会いのほうを大切に、なんとなく気になったら買う(ただし数百円まで)というスタンスで、これからもスローライフ的レコードとの付き合いをしていきたいと思う。
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