わたしは、1992年の7月19日(金)・20日(土)に、汐留のTokyo P/Nで開催された、今では伝説となったオーネット・コールマン・トリオのコンサート「ナイト・アット・インターゾーン」に深く関わっておりました。
大型のスクリーンをステージ背面及び両脇に設置し、そこにオーネット・コールマン・トリオによる生中継の演奏シーン、ウィリアム・バロウズ原作の映画「裸のランチ」からのカットアップ映像、バロウズが出演した古いフィルム素材、当時先端のパーソナル・コンピュータだったアミーガを駆使したCG映像等をスイッチングして実況中継するなど、凝りに凝った演出が施されました。
2015年6月11日に、満85歳で亡くなったオーネット・コールマンは、2001年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞するなど、ミュージシャンの枠を超えた芸術家として評価されたジャズ界の巨星でした。それまでのジャズの概念を超えたフリー・ジャズの生みの親の一人でもあります。
今回のオーネット・コールマン 追悼JAZZ LIVEは、2部構成で行われました。1部は“渋さ知らズ”(不破大輔を中心とする日本のビッグバンド)、2部は“タワー・オブ・ファンク”(キム・スン(Sax)カルヴィン・ウエストン(Dr)ヴァーノン・リード(G)アル・マクドウエル(B))が出演。
渋さ知らズは、1989年にベーシストの不破大輔が中心となって結成されたインストゥルメンタルのビッグバンドで、歴代のメンバーは100名を超えるという草の根集団です。
わたしは、今回のライブで初めて彼らの生演奏に触れましたが、管楽器、弦楽器とリズムセクションのアンサンブルが見事で、舞踊を含む複合的な演出も楽しく、いっぺんに彼らが好きになりました。
第2部に出演したタワー・オブ・ファンクのカルヴィン・ウエストンとアル・マクドウエルは、オーネットのプライムタイムの元メンバーという、直系のフォロワーです。
彼らが演奏したのは、すべてオーネットの曲。パット・メセニーがカバーしたことでも有名な“ターンアラウンド“や、代表曲の“ロンリー・ウーマン”などが次々と演奏されていき、最後は渋さ知らズのメンバーも加わって、オーネットの作品中、もっともダンサンブルな“テーマ・フロム・ア・シンフォニー ”で演奏が締めくくられました。
TOKYO DESIGN WEEKの特設ライブ会場でオーネットの追悼ライブが行われたことは、わたしにとって因縁めいたものを感じずにはいられません。なぜなら、その前身イベントであるTOKYO DESIGNERS SATURDAYにも、わたしはイベント運営に関わっていたからです。
一種、同窓会に行くような気分でイベント会場へ行き、Tokyo P/Nでは音響と楽器のコンサルティングを担当した、元アルファレコードのエンジニアと一緒にコンサートを聴き、興奮冷めやまらない状態で会場を後にしました。ハロウィン前夜だったこともあり、その後、別のお店で飲んだ酒がおいしかったのは言うまでもありません。おかげで5軒もはしごしてしまいました ^^;
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