エンクロージャーの素材であるMDFへの塗装はなかなか難しく、一回で上手く塗ろうとしてもそう簡単には行きません。
まずは、MDF全体にサンディングシーラーを刷毛で塗ります。3~4回塗り重ねてから、400番の紙やすりで全体をサンディングし
MDFは、とくに木の切口部分の吸い込みが激しいので、サンディングシーラーなどで目止めを行わないと、塗料が定着せずにどんんどん中へ染みこんでしまいます。
私はサンディングシーラーを全面に塗りましたが、切口以外の表面はすでに目止め済みなので、ここは塗らなくても大丈夫だと思います。
ちなみに、サンディングシーラーにはラッカーうすめ液を6:4くらい加えて希釈しています。うすめることで、刷毛塗りがよりしやすくなります。
左がサンディングシーラーを塗った表面を紙やすりでサンディングした状態です。サンディング用のゴムあてがあると、スムースに作業が行えます。
下地処理が終わると、いよいよ本塗装の段階です。私は、一般的なスピーカーと同様の仕上げを想定したために、ローズウッドの着色油性ウレタンニスを選びましたが、これは失敗だったかもしれません。
MDFの表面は、サンディングシーラーで下地処理したにもかかわらず、ニスの定着が悪く、部分的にムラが出てしまうのです。

着色ニスではなく、仕上げはクリアーのウレタンラッカーで良かったように思います。
この場合、色は元のMDFのままですが、ラッカーの光沢が入るので、雰囲気はぐっと良くなるはずです。むしろ、MDFの色を活かしたほうが、手作りスピーカーらしさが出て良いかもしれません。
作業を進めるうち、MDFは塗装に適さない材質であることがはっきりしてきました。刷毛塗りは難しそうなのでスプレーを使いましたが、それでも塗りムラが出てしまうのです。

木の素材感を活かすように配合されている半透明のニスでは、MDFには思うように塗装できません。
また、塗料は油性ではなく水性のほうが作業しやすいこともわかりました。今まで、楽器などでは水性塗料を使ってきましたが、匂いや乾き時間、仕上がりも含めて水性のほうがあきらかに優れていると思います。
今回はもう手遅れなので、塗装を全部はがさない限り油性で進めるしかありません。
写真では、塗りムラは目立ちませんが、近くでみるとあきらかです。気泡のような斑点が塗装面に入っています。一旦この状態で乾燥させてから、再度サンディングして塗り重ねてみようと思います。
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