2011年5月27日金曜日

Gibson L-00(1930'S)リペア記 その5

ペグの取り付けが終わったので、あとは弦を張れば今回のリペアは完了です。ペグボタンにも仕上げにクリアーラッカーを吹いているので、塗装が完全に乾くまで2日ほど待ちました。ヴィンテージのペグボタンのように、自然なアメ色になるとよいのですが、どのように風化していくのか楽しみです。
弦は、ダルコのEXライトゲージにしました。L-00 のようなスモールサイズのギターは、ブリッジにかかるテンションも高く、ライトゲージではすこし負担が大きいように思います。

弦を張って音出ししてみると、届いたばかりの時とはあきらかに違う音になっていました。5〜6弦に感じられたこもりが消えて、透明感のあるクリアーな音に変わっているのだから不思議です。

強めにストロークを弾いてみると、ボディ全体が振動して響きわたっているのが身体に伝わります。これが、1930年代のギブソン・フラットトップの音なんだ!と実感しました。


三角ネックは握ったときの角度が独特ですが、トラスロッド入りの構造なので決して太くはありません。弾きこむほど手に馴染んでくる感じです。

1930年代の L-00 で特徴的なのは、ボディの胴厚が下にいくにつれて厚くなっていること。これは、1990年代後半に復刻された全体的にボディが厚い L-00 や、全体にボディを薄くした現行品の Blues King とは、あきらかに異なる構造です。

このボディ厚がテーパーになっているデザインと、内部のブレイシング構造、そして当時使われていた木の材質や枯れ具合などが相まって、ヴィンテージ L-00 の素晴らしい音があるのではないでしょうか。

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